2022年度の各種ルールブックの編集にあたり、主な改正点・修正点について報告致します。

 

1.   6人制改正点・修正点

 本競技規則は、2021年2月5日から7日にオンラインで開催された FIVB 総会において  2020東京オリンピック後のルール改正が承認され、2021年10月にFIVBより「ルールブック2021-2024」としてホームページで公表されたものである。

 それをもとに、2022年度版ルールブックの改・修正点を以下のようにまとめた。

 本年度のルールブックも「英文併記」とし、『ケースブック』についてもケース番号に『ビデオ』と記載した項目についてはインターネット上にサイトを作成し、ルールブック巻末にそのサイトの URL と QRコードを掲載し FIVBのCASEBOOKの動画ビデオを見ることができるようにした。

以下が本年度の主な改・修正点である。

 

● 改正点

1.   1.2.2 室内コートでは、コート面は明るい色でなければならない。

FIVB 世界・公式大会では、ラインは白色でなければならない。コートとフリーゾーンは白色以外の、それぞれ異なる色で区別する必要がある。コートは、フロントゾーンとバックゾーンを区別するために色を変えてもよい。

2.   1.4.5 ウォームアップエリア

FIVB 世界・公式大会では、ウォームアップエリアは約 3 m × 3 m の広さでそれぞれのベンチ側フリーゾーンの外側のコーナーに観客の視野を遮らないように設けるか、またはスタンド(観客席)をコート面から 2.5 m 以上の高さにして、チームベンチ後方に設けてもよい。

3.   1.4.6  (削除)

4.   1.6 照明

 明るさは、300 ルクス以上が必要である。

FIVB 世界・公式大会では、照明の明るさは競技エリアの表面から 1 m の高さで測定し、2000 ルクス以上が必要である。

5.   4.1.2 選手の 1 人が、チームキャプテンとなり、記録用紙に明記される。(規則 5.1)

6.   4.2.3.2 タイムアウト中:自チームのコート後方のフリーゾーン内 

7.   5 チームリーダー

チームキャプテンと監督の両者は、チームメンバーの行為や規律に対して責任を負う。リベロは、チームキャプテンにもゲームキャプテンにもなることができる。

8.   5.1.2 試合中、チームキャプテンはコートに入っているときにはゲームキャプテンとなる。チームキャプテンがコート上にいないときは、監督またはチームキャプテンは、ゲームキャプテンの役割を担うコート上の選手を指名しなければならない。

9.   5.1.2.3 監督が不在で、監督の役割を引き継ぐアシスタントコーチもチームにいない場合は、タイムアウトと選手交代を要求する。

10.  7.2.3 公式ウォームアップを両チームが連続して(別々に)行う場合には、最初のサービスを得たチームから、ネットを使用してウォームアップを始める。

FIVB 世界・公式大会では、すべての選手はプロトコールならびにウォームアップ中は試合をするユニフォームを着用しなければならない。

11.  7.4.3 選手のポジションは、次のとおりコート面に接している両足の位置(最後にコート面に接触していた部分)により決定され、コントロールされる。

12.  7.4.3.1 各バックプレーヤーは、対応するフロントプレーヤーと同じ位置にいるか、少なくとも片方の足の一部が対応するフロントプレーヤーの前の足よりセンターラインから遠い位置にいなければならない。

13.  7.4.3.2 ライト(レフト)サイドの各選手は、同じ列の他の選手のライト(レフト)側から遠くにある足と同じ位置か、少なくとも片方の足の一部がライト(レフト)のサイドラインに近い位置にいなければならない。

14.  9 ボールをプレーすること

各チームは、(規則 10.1.2 を除き)それぞれの競技エリアとフリープレー空間の中でプレーしなければならない。

 しかし、ボールは、自チーム側のフリーゾーン外とその延長線上にあるスコアラーズテーブル上から取り戻してもよい。

15.  11.2.2.1 相手コートに侵入している片方の足(両足)の一部がセンターラインに触れているか、センターライン真上の空間にあれば、この動作が相手チームのプレーを妨害しない限り、その足(両足)は相手コートに触れてもよい。

16.  12.5.2 サービスが行われるとき、サービングチームの 1 人または複数の選手が集団で腕を揺り動かしたり、跳びはねたり、左右に動いたりして、あるいは集団で固まって立ち、サービスヒットとボールのコースの両方をボールがネット垂直面に到達するまで隠すことでスクリーンとなる。サービスヒットまたはボールのコースがレシービングチームに見えるのであればスクリーンではない。(第 6 図)

17.  14.6.1 ブロッカーが相手チームのアタックヒット前に相手空間内にあるボールに触れたとき。(規則 14.3、第 11 図㉑)

18.  15.2.4 中断の要求を拒否され、ディレイワーニングが適用された場合は、同じ中断中に(すなわち、次のラリーが完了する前に)正規の中断の要求をすることはできない。

19.  15.4 タイムアウト(テクニカルタイムアウトの条文削除)

15.4.1 タイムアウトは、ボールがアウトオブプレーでサービスのホイッスルの前に、該当するハンドシグナルを示して要求しなければならない。チームの要求によるすべてのタイムアウトは 30 秒間である。(第 11 図④)

FIVB 世界・公式大会では、主催者の要求に基づいて FIVB が承認する場合には、タイムアウトの長さを調整することができる。

FIVB 世界・公式大会では、ブザーを使用し、次にタイムアウトを要求するハンドシグナルを示すことが義務付けられている。

15.4.2 すべてのタイムアウトの間、プレー中の選手は自チームベンチ近くのフリーゾーンに出なければならない。

20.  15.7 例外的な選手交代

 負傷、病気、退場、または失格でプレーを続行できなくなった(リベロ以外の)選手は、正規の選手交代をさせる。もしもこれができないときは、チームは規則15.6 の制限を超え、例外的な選手交代を行うことができる。

 例外的な選手交代とは、リベロ、セカンドリベロまたはリベロの入れ替え選手以外で、負傷、病気、退場、または失格の発生時にコートにいなかった選手が代わりに出場することをいう。この負傷、病気、または退場で交代した選手は試合に戻ることはできない。

例外的な選手交代は、いかなる場合でも正規の選手交代の回数には数えないが、記録用紙のセットや試合の選手交代の合計欄に記録される。

21.  15.8 退場または失格での選手交代

退場または失格となった選手には、直ちに正規の選手交代が行われなければならない。もしもこれができないときは、チームには例外的な選手交代をする権利がある。これもできない場合は、チームは不完全を宣告される。(規則 6.4.3、7.3.1、15.6、21.3.2、21.3.3)

22.  15.11.1.3 インプレー中の選手の負傷、病気、退場、または失格の場合を除いて、同じチームが同じ中断中(次のラリーが完了する前)に 2 回目の選手交代を要求すること。(規則 15.2.2、15.2.3)

23.  19.2 服装

リベロは、チームの他の選手と、主要な部分の色が異なるユニフォーム(または再指名リベロのためのジャケット、ビブス)を着用しなければならない。ユニフォームの色は、チームの他の選手とは明らかに対照的でなければならない。2 人のリベロはチームの他の選手と異なる色で、さらにお互いに異なる色のユニフォームを着用することもできる。

 リベロのユニフォームには、他の選手同様に番号を付けなければならない。

FIVB 世界・公式大会では、再指名されたリベロは、可能であれば、元のリベロと同じタイプ、同じ色のジャージを着用しなければならない。しかし、番号は自分のものを付ける。

24.  21.3.2.1 退場を受けたチームメンバーは、コート場にいる場合は、直ちに正規または例外的な選手交代をして、そのセットの残りに参加することができず、そのセットが終了するまでチーム控室に行かなければならないが、それ以外の処置は受けない。

退場となった監督は、そのセットでは試合に介入することができず、そのセットが終了するまでチーム控室に行かなければならない。

25.  21.3.3.1 失格となったチームメンバーは、コート上にいる場合は直ちに正規または例外的な選手交代をして、試合終了までチーム控室に行かなければならないが、それ以外の処置は受けない。

26.  22.1 構成

試合のための審判団は、次の役員によって構成される。

・ファーストレフェリー

・セカンドレフェリー

チャレンジレフェリー

リザーブレフェリー

・スコアラー

・ 4(2)人のラインジャッジ

 その配置は、第 10 図に示す。

FIVB 世界・公式大会では、チャレンジレフェリー(ビデオチャレンジシステム使用時)とリザーブレフェリー、アシスタントスコアラーを割り当てなければならない。

27.  24.2.10 FIVB 世界・公式大会では、規則 24.2.5 に記載されている責務はリザーブレフェリーによって行われる。

28.  25 チャレンジレフェリー

FIVB 世界・公式大会でビデオチャレンジシステム(VCS)を使用する場合は、チャレンジレフェリーを割り当てなければならない。

25.1 位置

チャレンジレフェリーは、FIVB テクニカルデリゲートが決定した別の場所にあるチャレンジブースで任務を遂行する。

25.2 責務

25.2.1 チャレンジレフェリーは、チャレンジプロセスを監視し、有効なチャレンジの規則に従って行われるようにする。

25.2.2 チャレンジレフェリーは、その任務を遂行する間は公式レフェリーユニフォームを着用しなければならない。

25.2.3 チャレンジレフェリーは、チャレンジプロセスの後に、ファーストレフェリーに反則の種類を知らせる。

25.2.4 試合終了後、チャレンジレフェリーは、記録用紙にサインをする。

29.  26 リザーブレフェリー

FIVB 世界・公式大会では、リザーブレフェリーを割り当てなければならない。

26.1 位置

リザーブレフェリーは、FIVB のコートレイアウトで決められた個別の場所で任務を遂行する。

26.2 責務

 リザーブレフェリーは:

26.2.1 その任務を遂行する間は公式レフェリーユニフォームを着用しなければならない。

26.2.2 セカンドレフェリーが不在の場合や、その任務を続行できないとき、またはセカンドレフェリーがファーストレフェリーとなった場合は、セカンドレフェリーとして任務を遂行する。

26.2.3 試合前やセット間に、(もしも使用している場合は)選手交代用のパドルを管理する。

26.2.4 セット開始前やセット間に、もしも問題があるときはベンチのタブレットの動作を確認する。

26.2.5 フリーゾーンを清潔に保つために、セカンドレフェリーを補佐する。

26.2.6 退場や失格となったチームメンバーがチーム控室に行くように指示をするセカンドレフェリーを補佐する。

26.2.7 ウォームアップエリアやベンチの交代選手をコントロールする。

26.2.8 スターティングプレーヤーのコート内への呼び込み直後に、セカンドレフェリーに 4 個の試合球を渡し、セカンドレフェリーが選手の位置を確認した後に 1 個の試合球を渡す。

26.2.9 モッパーの動きに指示をするファーストレフェリーを補佐する。

30.  第1図 競技エリアのウォームアップエリアの変更(Option1、Option2)

31.  第4図 ポジショナルフォルトの判定の図の変更

32.  第9図 罰則段階表

32.退場の処置のしかた

チームメンバーはそのセットが終了までチーム控室に行かなければならない。

失格の処置のしかた

チームメンバーは試合終了までチーム控室に行かなければならない。

33.  用語の定義(DEFINITIONS)

チームのファーストヒット(FIRST HIT OF THE TEAM)

プレーの動作でチームのファーストヒットとみなされるケースは 4 つある。

– サービスのレセプション

– 相手チームのアタックヒットのレシーブ

– 自チームがブロックしたボールのレシーブ

– 相手チームにブロックされたボールのレシーブ

プロトコール(PROTOCOL)

試合開始前の一連の手順は、大会のハンドブックに記載されているトス、ウォーミングアップセッション、チームやレフェリーの紹介を含む。

 

●    修正点

1.   規則 23 の「主審」を「ファーストレフェリー」に表記を変更し、本文中の主審をファーストレフェリーに修正した。

2.   規則 24 の「副審」を「セカンドレフェリー」に表記を変更し、本文中の副審をセカンドレフェリーに修正した。

3.   本文中の「審判員」を「レフェリー」に修正した。

4.   本文中の「審判台」を「レフェリースタンド」に修正した。

5.   公認審判員活動報告書の登録番号をメンバーID に変更した。

6.   ケースブックをより読み易く理解しやすいように表現を一部修正した。

7.   規則をより読み易くするため、単語訳や表記を見直し、字句を修正した。

2.   9人制改正点・修正点

今年度についても、一昨年度までのラリーの継続を踏襲し、プレーをする側も、観る側も理解しやすいよう競技規則の改正を行うこととした。またその他、日頃からJVAに寄せられた 9人制競技規則に対する意見等も参考に、条文の表現を平易にしてより分かりやすい競技規則になるよう心掛けて編集にあたった。

 今年度の 9人制競技規則の主な改・修正点は以下のとおりである。

なお、一昨年度からの修正・変更・追加した部分は下線で表記する。

 

1 .第 14 条 試合中断の不当な要求と処置

第 2 項 処 置

2     不当な要求として拒否された場合でも、そのチームは同じ中断中に異なる種類の中断の要求をすることができる。

➡試合の遅延と分けて表記した。

2 .第 21 条 ボールイン・アウト(第4図-1、第4図2)

2     ボールは、両アンテナ間でネット上方の許容空間を通過させ相手コートへ送らなければならない。このボールが次の状態になったときは、ボールアウトとする。

⑴ ~略~

⑵ ~略~

⑶ ~略~

⑷ ボールの全体またはその一部でも、許容空間外側のネットの垂直面を完全に通過したとき。

   ただし、次の第21条3に該当する場合は除く。

〈第 4 図-1 ボールアウト〉

ネット下方の空間に範囲を示す矢印を追加した。

3.   第 26 条 試合の遅延

第 2 項  試合の遅延に対する処置(第 5 表)

1     競技参加者が試合の遅延をしたときは、そのチームに対し、次のとおり処置し、罰則段階表(第 5表)を適用する。

2     不当な要求により、遅延警告の罰則が適用された場合は、同じ中断中に中断の要求をすることはできない。

➡不当な要求によって遅延警告の罰則が適用された場合を追加した。

4.   第 33 条 公式ハンドシグナル

〈第 7 図 審判員の公式ハンドシグナル〉

③ ボールイン

(第 8 条(1))

(第 21 条第 1 項)

④ ボールアウト

(第 8 条(10))

(第 21 条第 2 項)

5.   付録(2) 公式記録記入法

(10)次のようなときは、特記事項欄に、適用した事項/チーム/セット(両チームの得点)

その内容の順に簡潔に記録する。

① サービス順の誤りで遡って得点を取り消したとき。(記載例;図-1の記載内容④参照)

6.   付録(4) ケースブック

3 - 6 - 4 ➡ ルールの内容を変更した。

7.   公認審判員活動報告書

登録番号をメンバーID に変更した。