仕事がようやく(ほんの少し)落ち着いたので、


真夜中に本を手に取りました。






ボクが本を読み始めるようになったきっかけを作った本、


ドリアン助川さんの『ベルリン発プラハ』です。






この本は、一人の日本人男性が、


傷つけてしまった恋人を追って、ドイツを旅する話なのですが、






当時のボクはまだ18で、恋愛の「れ」の字も知りませんでした。






だから、


「なんで好きな相手を傷つけなきゃいけないんだろう」って、


ずっと疑問を抱いていました。






けれど30を前にしたボクは、その意味が少し分かる気がします。




前の日記にも書きましたが、


「オトナになるということは、自分で生き方を決めることであり」、


そういった決断は時として人を傷つけてしまうことを知りました。








そして、本気で相手を愛すれば、


本気でぶつかりあうことも必要だと感じるようになりました。








時々、人から「優しいね」とか「オトナだね」と言われることがあります。


でも、それは元々自分がそういうものを備えていたのではなく、


本気でぶつかり合った相手が一生懸命にボクに伝えてくれたものだと思っています。








先日、元・彼女から、


「やりなおしてほしい」という連絡をもらいました。






けれど、楽しかった思い出も生まれてきた優しい気持ちも、


ボクにとってはもう過去のものです。






『ベルリン発プラハ』の主人公のようには、


元・恋人の後姿を追わない自分がいることに気付きました。






もう恋愛感情はないけれど、
心にはただただ感謝の気持ちが静かに佇んでいます。