今回は、「治す」と「治る」についてです。
長年の不調を抱え、いろいろ治療を試みてもなかなか改善されずに
困っているという方をよくお見かけします。
「では、なぜ治らないのでしょう?」
それは、病気や症状自体が、体を治す働きであることが多いからです。
例えばです。
食べ過ぎるから、もしくは不安が長く続きすぎて体の機能が低下して
糖尿になるのです。尿からでも糖分を排出しないと間に合わない状況
があるからです。これは、糖尿が悪いのではなくて身体の使い方が悪
いのです。
その条件に対する身体の適応行動、つまり、よくしようという働きが病気や
症状であるならば、その条件がなくなれば起こる必要がないということです。
ならば、身体の使い方が変わり条件が変われば、結果も変わるということです。
つまり「治らない」ということは条件がそのままになってますよ!ということです。
胃がんが、胃だけの問題ならば、胃を切除したら解決なはずですが、なぜ
再発するのかといえば、がんになる条件がそのままだからです。
高血圧も、薬で下げても飲まないと上がってしまうのは、上げなければいけない
条件がそこにあるからなのです。
話を戻します。
起こったことだけを問題にして、それだけを治そうとする。
なので、その症状がなくなりさえすれば治ったと思う。
整体的な見方では、
起こったことは、してきたことに対して体がフォローしてくれている結果。
改めないといけないのは、何か?
自分で首を絞めて、苦しいので誰かにこの苦しみを取ってくれ!といっている、
この苦しみに対して薬を飲んで苦しいだけをなくそうとする。
どう考えてもおかしいですが、これが自分のことになると意外と気付かないもの
です(笑)
首を絞めて苦しいのは生きている証拠です。これもなくては、知らぬ間に死んで
しまいます。
その苦しいことだけを治そうとすることによって、さらに治らなくなることも多くある
ようです。
「治す」と「治る」、一文字の違いですが、全く意味が変わってきます。
治さなくても、条件さえ整えば勝手に治ることもたくさんあるということですね。