ドラゴンズドグマ(以下DD)をやってみました。


全体のパッケージ自体は万人がそれなりに
楽しめるように仕上がっているように思います。

しかし、ストーリー構成の観点でしぼるならば非常に雑。

JRPGの幼さとか、目をつぶってきています。
スカイリムも好きだけど、それを崇拝しているわけでもないです。
ただ、今回のDDのストーリーは好み以前の問題。

ストーリーという構成上のルールにのっとて
見直してみたいなとおもいまして。

まあ、初見程度の読み込みなので、見落とした台詞やらは
多分にあるかと思いますが、その辺はご指摘頂ければ
直したりもしたいとは思っております。


株式会社カプコンの方の目に留まるわけではないと思うのですが
今度の日本製エンターテイメントの低下をそれなりに危惧して、
やっぱしほっとけない気分になって・・・自己満足です。はい。

このゲームですっきりしない方のために、
これから何かを作ろうと思う若きクリエーターさんたちのために
一助になれば誠に光栄です。





■はじめに


グローバルマーケットで勝負したい云々の前に
すくなくとも最低限レベルのストーリー構築はビジネスマナー。
DDのストーリーは未完成すぎて驚愕です。


  
  あるゆるエピソードが開発者の都合で
  ただ単に置かれているだけの
  いわゆるご都合の固まりのような作品。



これは組み立て途中のプロットを読まされているレベルで
完成品として販売してはいけない。
もはやビジネスモラルに疑問がでます。


ストーリーとは何か、そんな事を改めて考えたく、考察をブログにのこしてみます。



★ストーリーとは?(以下ネタバレご注意)


個人的な好みは排除し、作品のアイデアやテーマ、演出の否定ではなく
純粋に作品のトーン&マナーを遵守した上で
ストーリー構築上のルールと照らし合わせての考察です。
ここからネタバレ要素が含まれているので
まだやってないかたはお気をつけください。




■コンセプトについて


  ストーリーと相対するのがコンセプト。コンセプトのないストーリーはない。
  例え、事象を紡ぐのみにしても、紡ぎ方の意図があり、この場合意図が
  そのコンセプトになるからです。

  ストーリーとはコンセプトに理解・共感などを促すために存在します。
  ユーザーはそのストーリーを疑似体験し
  コンセプトを理解することになります。


DDのコンセプトの推測

  コンセプト案(A):決意ある選択
  ・冒頭のドラゴンがでてきて、浜辺で唯一反抗してきてた覚者に対する台詞
  ・決戦において、ドラゴンが覚者に要求したもの
  ・界王のシーンすべて
  また、たびたび決意と選択的な言葉がレイアウトされています。
  そのあたりをみると「決意ある選択」あたりがコンセプトと推測が可能。
  ”なにかをやり遂げる意思の重要さ"or”困難に立ち向かう大切さ"or"決意のある選択の重要性"
  あたりを表現したい思惑がありそうです。



  コンセプト案(B):繋がり
  ・ポーンやオンラインなどのゲームシステム

  ゲームをやっているそのローカルな世界が、ユーザーごことにあり
  ポーンがそのユーザーごとの世界を行き来することで
  無限につながっている。ユーザーが同時に同じゲームをしている構図に
  あらためてスポットあてたい?

  この概念を体験する事で認識する幅は
  もちろん受け手の人それぞれですが
  概ね”繋がり再認識"or”思いやりの大事さ”or"きずな感"
  "一人でも一人じゃないんだ"あたりの
  感情に刺激を与えたいという意図があるように思えます。


    追記
    
    キリスト教の三位一体なる構造に流し込んだのでは?
    という意見もあるようです。
    その場合、コンセプトはキリスト教のエピソードに添うことになります。
    ストーリーをとおして描かれるコンセプトは
    キリスト教のことがわからないのであれですが、
    仮に「悟り」だとしてみてもよい。
    
    
    ※ただしこの場合、ストーリーテリングは非常に困難なものになる。

    なぜならば今回のゲームは主人公=ユーザーであり、
    劇中内主人公を扱う=ユーザーでないために、
    劇中の苦悩と各ユーザーの苦悩を重ね合わせる工夫が不可欠だから。

    ・何について悟りたいか?
    ・なぜ悟りたいか?
    ・なぜ悟らねばならないのか?

    
    など各自個人にゆだねるところから始まり
    現実社会にある普遍的な問題をメタファーとして
    ストーリーに盛り込まねばなりません。    


いずれにせよコンセプトとは
開発者が決定し、作品に落としこみ
そして、結果はユーザーが何を得られたのか?で
結実する事項かと思います。



私が成立してないという心は、仮にいかなるコンセプトを推測しても
それぞれの場面の連続としてとらえると破綻していると感じるからです。



■ストーリーであるための絶対条件


  ストーリーとは、コンセプトにそった通過儀礼を意味します。
  昇華するのか悪化するのか、もしくは変化がないのか
  いずれにしても、そこには過程が描かれます。

  いわば、コンセプト線上に進む車両のようなものです。

  ・ジェットコースターのように激しく浮き沈みするもの
  ・各駅停車のように一つ一つのエピソードを刻むもの

  表現は多岐にわたりますが、共通するのは決して脱線してはいけない点です。

  DDの場合は脱線の連続です。

  そして重要なルールは
  冒頭の語りだしと最後〆を一文にできなければならない。
  ※特別な理由がないかぎり


  世界観が似ている映画ロードオブザリングでは

  主人公フロドは愛する故郷を守るために、
  火口にリングをに投げ捨て世界を救い
  同時に真の成長を遂げることができた。


  このストーリーを見通した視聴者は
  コンセプトを理解することができます。


みなさんも好きな作品を思い浮かべてみるといいです。
そこにはちゃんとつながる要素があるはずです。


  ではDDはどうでしょうか?

  カサディス村育ちの主人公が、心臓を奪い返し、
  界王になって命のあり方を理解した。
  自殺したら、メインポーンが覚者として生まれ変わった(orメインポーンと覚者が同一人物化した)



  この一文の意味がわかる方がいるだろうか?
  これがDDの意味が最もわからない所以です。

  まず体裁上は、命のあり方を悟った風なのですが、

  界王の悟りは、現ストーリーの質からみると
  ただゲーム上のシステム上の命のあり方であって
  わたしたちの現実社会の問題に沿っていない。
  あくまでゲーム上のありかた。だからそれで?ってなってしまう。


  つまりファンタジーの基本、現実テーマにそった
  コンセプトにそってストーリーが出来ていないからです。
  

  そして悟るというストーリーは、大変難しいものです。

  この程度で完成したと思っている
 シナリオライターごときには到底無理な話です。



  また、あとがき的な演出のポーンのくだりですが
  ポーンのエンドを活かしつつ非常に複雑かつ深いテーマ、
  あるいは哲学的なテーマを描きたかったとしたら・・・

  メインポーンと同一人物化した。の対比を
  語り出しにしなければ、描きたいことが散漫になります。


例文
  ・心を半分なくした人物が、メインポーンと旅をしたら
  その半分をポーンがもってることを知り、同一になることができた。


  主人公の設定を明確にすることで話がわかる。

あるいは

  ・心のないポーンが、元覚者の影響を受けて、心の持ち方をしり、人間となった。

  そうエレナ(=ピノキオ)のエピソード。
  エレナの場合は、主人公がポーンなので話がわかるのです。




■ストーリーの構成方法「起承転結」について


  ストーリーの構造は「起承転結」or「序破急」などが
  基本的な骨組みになります。

  DDは、あまりに単調かつ散漫なストーリーなので
  起承転結が成り立っていません。

  正確な区切りはひどいストーリーすぎて
  難しいですが、起承転結になぞらえるならば・・・

  起:心臓が奪われてメイポに会う迄っぽい?もしくは謁見まで?
  承:決戦までっぽい
  転:滑落したエバーフォール?
  決:自殺???



  なぜ全体がぼんやりしてしまうかと思うのは
  起があまりにも、ぼんやりとしか描かれていないから。
  心臓を奪われるというアイデアはいいと思います。
  ただそれがストーリーの推進力になっていない。
  スタートがぼんやりすると承や転の設定もぼんやりするのでこれは致命的です。


  今回のゲームのような「ユーザー=主人公」では、
  FFや白騎士のように「ゲーム内主人公を操作する=ユーザー」ではないために
  主人公のパーソナルな背景が描きにくい。

  ですから旅を始める動機は慎重に設定する必要がありました。


冒頭を振り返ってみましょう。

   →空から生まれ落ちるドラゴン
   →ドラゴンが漁村をおそう
   →兵士すら逃げる
   →村民が焼け死ぬ
   →主人公だけが落ちていた剣をとり立ち向かう
   →根性あるやつやなーっぽい雰囲気でドラゴンが手にささった剣を見る
   →ドラゴンが覚者の心臓をとる
   →心臓返してほしかったら会いにきてねとドラゴンがいう
   →村をでようとしたら村長に宿営地で兵士集めているみたいよ?

  これがざっくりとした冒頭シーンです。
  この主人公の旅の目的はどこに描かれているのでしょうか?
  事件のみがほとんどです。


■心臓を奪われたデメリットが描かれていない
  →胸に傷があるだけで、それまでと変わらないようなので
  デメリットがなく強い意思がそこに働かない。


■旅立つ目的が不明瞭
  →心臓を返してほしいから街を出るのか、村をめちゃくちゃにした
  ドラゴンを倒したいのか旅立つ目的が不明瞭すぎる。
  


これらの点は、ユーザーにゆだねたいという思惑でしょうけど、完全なるお門違い。
ストーリーの目的設定は今回の構成上からはDDの場合開発者側にあります。


  なにかと比較されるスカイリムの場合は
  ユーザー側に目的をもゆだねたいというトーン&マナーなので
  「どのように生きるのも貴方の勝手です」という
  序章からスタートしています。
  そして現に、レベル上げも生活もクエストもできます。

  そして、ユーザーが自らの意思で広大な世界から
  ホワイトランにたどり着き、メインクエスト「ドラゴン討伐」を選択する。
  
  明らかに明確な目的がそこに提示されます。
  「お前はドラゴンボーンで、世界を混沌に陥れるドラゴンはお前にしか倒せない」
  その設定に是非はあるでしょうが、
  ストーリーの推進力としては条件を満たす。


  DD開発者側で、もし語り出しをユーザーにゆだねたい思惑があるなら
  Ex.「ドラゴンに挑む意思をユーザーにゆだねる選択」などの
  設定から始めるべき。

  その後、選択肢の設定を設けなければならない。

  例「心臓を探す旅か」or「気にしないで掲示板のクエをやりながらでも
  カサディスで生きるか」


  この辺が物語のスタートであるべきだった。

  旅に目的が明確になり、なによりもユーザーが覚者たる所以について
  準備できるからである。


  今のままだと
  覚者たる所以が皆無なわけ


  
  ひどいのはコレだけじゃない(笑)


  語りだしに目をつぶったとしてひどいのが
  話の流れを無視した構成。


■例)仮に「心臓を返してほしいんだ!」という旅の目的としたら
  旅の目的は、世界どうこうではなくパーソナルな
  動機で旅を始めた事になる。ここ重要。

  起がパーソナルな理由とした場合
  ストーリーの構成上、承での機能では、

  例)心臓奪還を目的とした旅では、心臓が救えない
  例)領王に会わないと、ドラゴンに会えない。
  例)救済を支援しないと、ドラゴンに会えない。

  などなど様々なポイントや表現で承が区切れます。
  文脈の節目としては(一般的なストーリーの場合)
  パーソナルな理由のみでは目的を果たせないとわかるまで
  などになります。


  DDのクエストでは目的と行動とが散漫なため
  主人公から意思が欠如していきます。




■例)「世界を救うためにドラゴンを倒す」という旅の目的を設定したとしたら

  救世主的なストーリーの構成になるので、

  例)私のやり方ではドラゴンに会う事ができない。
  例)私のやり方ではドラゴンを倒せない。
  例)やってきた事は無駄だった。このままでは世界が救えないかもしれない。
  例)領王に会えば、ドラゴンを倒せるかもしれないが会っても何も得られなかった。

  などなどのポイントや表現で区切れるところが承になります。
  (一般的な救世主ストーリー)では、
  一人では目的がはたせないとわかるまでなどになります。



  DDでは目的がないために承の推測が非常に曖昧になります。
  いずれの動機でも現状のクエストでは、
  主人公から意思が欠如していきます。


  長城砦を占拠した救済を討伐に依頼を受け駆けつけたら
  ドラゴンが出てきたというおまけなので

  いいなりの覚者。
  行き当たりばったりで進展しただけ
。となる。

  領国のお使いをしていたらドラゴンに会えたという
  カスな構成がうすっぺら感を助長するの。



  例)「非常に困難な事をしてたどり着いた所にドラゴンがいなかった」  


  上記のような覚者が承を代表する
  能動的選択をするクエストが不可欠。
  これは致命的な構成の欠如です。
  覚者の意思や決意がどこにも見当たらない事態になります。
  


■「領国」か「救済」か選べない怪奇現象


  「心臓を返してほしい」「ドラゴンに会いたい」という目的で
  進めたいようなわけですから
  ドラゴン支援をめざす「救済」を覚者にとって何の理由もなく
  破滅させる意味もわからないし
  領国に加担するメリットすらも描かれていない。

  どちらも選べるようにしろ、とまで日本のゲーム会社に求めるのは酷ですが
  せめて領国に加担するメリットは描かないと。。。



■転へ転換する「決戦」


  承の終わり、転のはじまりがおそらく「決戦」です。

  ※一般的なストーリーだと、主人公は打ちのめされるor絶望するなど
  停滞、行き詰まりで描かれることがほとんど。
  今回のそれは、ドラゴンを倒したところで事態が悪化したとなるわけですが、
  起が心臓奪還にしても世界を救うにしても、
  ストーリー上では、グランソレンに穴があくということが唐突すぎ。 

  ドラゴンの存在が、その世界の時空なりを司る存在

  など位をあげておかねばご都合主義になってしまいます。
  
  例)つまり心臓を返してほしいという個人的欲求の代償に
  大地を司るというドラゴンを倒してしまった場合
  どのようになるのか?
  
  こういう伏線がなければ、穴が空いたことが
  どこにもつながらない。

  
  さらに「承」から「転」の構成的機能を
  完全に見失う失態。


  ようやく会えたドラゴンさんが生け贄と権力を選べといいます。
  しかも究極の選択風に。アフォか?

  これに違和感を覚えた方は多いのでは?とおもいます。


  主人公に決意を迫る選択肢とは、
  ハイリスクとハイリターンが介在する究極の選択です。

  ストーリーを通して積み重ねられる究極の選択なのであり
  心臓奪還か世界を救うために旅をしてきているので
  突然出てきたエリノアやアッサラームやらの生け贄と権力の選択ではない



  そしてこの会話をするタイミングと関係もおかしい。
  わかりやすいリアルな設定でみてみます。



  起承転結の「転→結」のタイミングで


  ○普通の生け贄関係

  ・討伐対象ではない国家権力があなたに選択を迫ります

  「容疑者をばらせば、お前を釈放してやる」



  ○DDの場合

  ・娘を人質にとった討伐対象の悪党が選択を迫ります

  「娘をおいていくか、平穏な暮らしか」


  ストーリーが結末に向かう転のタイミングです。
  強盗を退治しなければ前にすすめない。
  覚者は強盗退治にきていますので
  ただ単に強盗(雑魚)の戯言になる。


  そこあるのは「選んでくれってなに?いあいあ、狙いはあなたです」となる。


  ドラゴンと主人公はこの時点で対等な立場になっているので
  生け贄か何かという会話ではない。
 

  でまあ、スルーして
  ドラゴンを倒したら、心臓は戻るけど、
  唐突にエバホに穴があく。
  
  もはや何度も言うようですみませんが、

  シナリオライターの技術は皆無

  中2妄想レベル


  ですね。



○転でさらに意味不明になる怪奇現象
  
  転は、さらにぼんやりしていきます。
  穴があいたエバーホールに行ってみたら
  主を失ったポーンから心臓あつめてみろといわれるだけ。

  ますます主人公から意思が欠如していきます。



○結ででちゃう疑問の数々


  結は、惨憺たる意味不明さ加減。むしろ今回のストーリーの動機が
  一番ぼんやりしているので結論がぼんやりするのは仕方ない。
 

  コンセプトを起承転結(起承結)に落とし込んだプロット
  (※ここに矛盾や欠落があってはならない。)をつくる必要があった。






■ストーリーに彩りを加える要素~足かせ~


  足かせとはキャラクターの行動や能力を制限するものであり、
  同時に動機にもなる重要な要素。


  例)ロードオブザリングの主人公フロド。
  体力が弱い。カラダ小さい。弱気。
  故郷のみんなが大好き性格設定がありながら
  その人物にしか指輪をキャリアできないし、
  到底世界なんてすくえるはずがないという
  自己の過小評価が足かせになります。



  DDでは覚者に全編を通して、なんの足かせも設定されていないため動機が弱くなります。

  ○心臓がなくなったメリット・デメリット
  ○心臓がないことがなんなのか。
  ○心臓がなくなったものにしかドラゴンが倒せない。なのでお前がやるしかない。
  ○ドラゴンを見過ごしたらどんな脅威があるのか


  などなど足かせをちゃんと描かないことが、すべてをぼんやりさせます。

  覚者=ユーザーで描きにくいとしても何らかしらの足かせが必要です。
  ※領王も元覚者であるので、純粋にユーザーでなくてもドラゴンを倒せるのではないか
  という緊張感を下げる余地も加わってしまいます。


  ゲーム上では、ポーンがドレイクやらのとどめをさせない設定なので
  ドラゴンにとどめをさせるのは覚者のみになっている模様。
  ただ、それがわかるのがドレイクを倒せるようになるLV30~あたりなので
  それまでは覚者は一介の領民ではなく、
  特別な存在らしい雰囲気のままぼんやり進みます。
  この程度ですから、足かせにもなっていなし
  覚者ならでは。っていうのもぼんやり。
  



■ストーリーを豊かにする伏線について

  伏線とはストーリーの鮮度保ち、躍動感を与えます。
  DDで伏線はほぼ皆無です。変化があっても唐突すぎるので
  伏線とはいえず「うっちゃり」ご都合主義の多用です。


・ドラゴンの告白「領王=元覚者で生け贄を選択した」
  
  このエピソードを成功させるためには
  
  ○領王が覚者であるのか否か?
  ○なぜ領王がドラゴンを討伐したにも関わらず再度ドラゴンがでてしまったのか?
  
  などの疑問をメインクエストないし、エピソードにもりこなければなりません。
  それら伏線があってこその、衝撃発言になります。

  DDでは、伏線が存在しないために、
  ・するってーと、領王がささげた生け贄って誰?
  ・新たな覚者をスルーした領王ってどんなキャラクター?など
  別の疑問が芽生え、ストーリーの座り場所がふわふわしちゃう。
 
  衝撃発言とは、そもそも問題提起があって結実を迎えるときにおこるので
  唐突に何いってんの?そんなこと気にもしてなかったわ。ってなる。



  またストーリーテリングやってはいけないタブーは、
  出したものをそのままにしておくことです。




  ゲームの場合はおそらく映画などのそれよりも緩くてよい。

  ただせめてメインクエストに関わったものくらいは、
  すべて着地させなければならない。




  メインクエストでありながら、メルセデスの再登場の皆無
  自身を根底から誹謗中傷されながら決意を新たにした台詞
  「ドラゴン討伐するお前を助けるために、本国を説得して挙兵してくる」

  これは明らかな伏線のようですが、この後登場することはありません。
  気持ち悪いことこの上ない。

  さらに”決意”的なものをテーマあるいはコンセプトにしているのであれば、
  決意を新たにしたメルセデスを最登場させないのはあまりに粗悪。



  続編に登場させたい意思があるならば
  台詞と退去するタイミングが違う。
  決戦後で覚者の行動をみならったメルセデスが、わたしも頑張るでよい。
  決戦前だったら、ドラゴンと覚者を理由にしてはいけない。
  ちょっと考えれば、わかるだろうくらいの初歩的ミス。




■ストーリーの欠かせない味付け

  ・それぞれのキャラクターの5W1H
  重要なキャラクターと位置づけているらしい各キャラクターの5W1Hは非常に雑。

  WHO:誰であるか?
  WHAT:何のためにいるか?
  WHY:なぜいるのか?
  WHEN:いついるのか?
  WHERE:どこにいるのか?
  HOW:どのようにストーリーに関わるのか?


  まして、今回のように覚者=ユーザーというトーンなので
  その世界のNPCが充実することで主人公のポジショニングが決定されていくので
  キャラクターの設定はとても重要。


領王の不一致

  初対面で、膝まづく覚者。
  ユーザー=主人公で進めているはずのゲームで
  何の前ぶれもなく膝まづく意味がわかりません。
  ゲーム内の覚者にとって領王であったとしても
  ユーザーにとっては当然その領内で生活しているわけでもないので
  ユーザー=主人公の設定とチグハグです。
  領王のキャラクターを立たせる義務を怠った上で、
  関係性をわからせるいわゆるご都合構成にあたります。


例えば

  ○街人から圧倒的に支持されている領王
  ○ドラゴン討伐のヒントをもっている領王
  ○ドラゴン討伐に欠かせない支援を賜りたい覚者


  などなど描かれた上で膝まづきにしないと
  ユーザー=主人公のトーン&マナーから逸脱し、
  がちゃがちゃしたストーリーになってしまう。
  WHOが領王かつ元覚者とあるだけで、
  WHYなぜいるのか?かがみえてこない。



  元覚者。
  領王と覚者初対面の余裕ぶっこきすぎ台詞に・・・
  「余の王冠よりも立派な王冠をみにつけてるな」
  生け贄に捧げたてしまった領王ならば、新たな覚者は脅威なはず。
  なんとしてもその秘密を死守しようと覚者を遠ざけるなど描かなければ
  ドラゴンの台詞「領王は生け贄を捧げた」が宙ぶらりんになるし、
  なによりも領王のキャラクターがみえてこない。

  WHAT何のためにいるのか?欠落した構成にただいる存在が=元覚者



  あなたの生け贄は誰だったの?

  心臓を撮られているので長らく生きているが、誰もその年齢を不思議さを指摘しない点と
  心臓が戻ってきて乱心する年齢を加味すると大きく幅を見積もって
  おそらく80~100歳前後に推定できる。
  その頃の生け贄が誰だったのかは描かれていない。
  WHENいついるのか?気分で元覚者にしたため存在する時間設定の"座り"が悪くなる。



  さらに・・・リノア・・・とエリノアを首閉めた事件、
  覚者が投獄された後も覚者に対する領王の変化なし。
  また最後までエリノアの首をしめた乱痴気騒ぎは結論まで描かれることはない。
  王妃エリノアにびっくりするくらいの無頓着っぷりに唖然とする。


  幽閉したエリノア助ける際に、領国の近衛兵を数十名殺しましたけど?
  エリノアが諸外国に亡命しましたけど?
  それに対する反応はいっさいみられない。
  普通なら国賊にあたるほどの謀反です。それに対する反応があってしかるべき。

  このエピソードは様々な弊害を生むが
  一番はWHEREどこにいるのか?この領王の立場が見えない。


  エレノアまわりのクエストが2件
  ドラゴンのぶっちゃけ告白
  これだけ要素を盛り込んだのなら
  領王のキャラクターにかかわるクエストが必要不可欠。



  例えばこんな初期設定を施していればマシになったように思う。

   例)覚者を避ける領王
    →ドラゴンの台詞、エバーホール滑落後の乱心を活かすには必要不可欠

   例)喉元の刃の依頼人が領王だった
    →滑落後に領国から命を狙われる主人公ならば、
     領王からの依頼だったとわかるまでを描かない手はない。


  領王がその場面場面でまったく違う顔をみせてくるし、
  ストーリーになんの影響もない点が重要なキャラクターではない風だが
  一応重要なキャラクター扱いにちょいちょい動画が
  はさまれるバランスの悪さです。
  元覚者である領王の5W1Hはまとめないとね。まずいよ。




ドラゴン

  ストーリー上の役目としては"門番"が近いと推測。

  主人公がそれまでの世界や価値観を破ろうとしているときに
  立ちはだかる最初の壁がそれにあたります。

  門番でわかりやすいのは
  ネバーエンディングストーリーの試練の門。
  主人公が少しでも怖いと思ったら
  焼き殺される。アレです。
  強いという言葉の意味に明確なメタファーが込められ
  まさに自分が変わらねば世界は救えないのです。


 DDでは一見成立している様におもいますが、
 重要な要素欠落しているために"門番"としての
 存在がかなり弱くなっています。


 乱暴にいうと・・・

  心臓をむしり取り、会いにこいという。
  かつあげして、返してほしかったら家にこいや。


  これだけだと、雑魚キャラと並列になる。

  門番は意識改革をしなければ太刀打ちできないほどの
  大きな壁にならなければならない。


   強くなれば返してもらえるなっていう相手
   ただ強くなるだけでは無理そうだという相手
   強さとは一体なにか?それが
   ドラゴンを軸にまったく描かれていない。



ドラゴンの存在が薄く感じるのはこのためです。


  門番の作り方は、ストーリーの善し悪しを決める重要な要素。
  ストーリーの手応えに関わってくるのでちゃんとやらないと。
  DDは門番の役割も曖昧で、安いストーリーの典型。



ストーリーと関係ない無意味なメインクエスト


  決意を計るための存在=ドラゴンの試練 としたければ
  それなりにクエストと事象を積み重ねなければなりません。

  旧領王がつくったとされる蒼月塔にからめるもよし
  各地にある遺跡に絡めるも良し
  ポーンエレナと元覚者の歴史にふれるもよし
  ドラゴンの秘密を献身的に探すキナにふるもよし

 
  メインクエストにおいて
  フォーニバルの署名を集めたり、盗まれた指輪奪還など
  やるべきことを怠った上での、無駄なクエストが多すぎ。




界王


  なぜ界王は入れ替わらなければならないのか?サヴァンでいいだろ?
  似た者同士を探すためにドラゴンは界王が遣わした生き物らしい。
  界王に飽きたから死にたくて変わり者が必要だった。
  リディルで自殺できるので、それもあてはまらない矛盾に笑うしかない。

  5W1Hにざっとあてはめてみよう
  WHO 元覚者を経て、すべての生命を司るもの
  WHAT ドラゴンを遣わし決意あるものをさがした
  WHY 自分が界王であることに飽きたから
  WHERE エバーホールの最深部
  WHEN ストーリーがはじまってから

  DDでは描きたりなさすぎてわかりにくいが
  わかりやすくいうと映画マトリックスシリーズの設計者。

  マトリックスの場合は、設計者のエゴが
  その世界の問題の根っこなので
  設計者に会わないといけない。


  DDでいうと界王自身がゲームの管理者なのですが
  ただ死にたくなったから
  代わりの者をさがしつづけただけど
  ようやくプレーヤー=覚者きてくれたのね
  よかったワーイ。だけwww

  命を司る=界王が、低能すぎては
  もはやキャラの破綻。


  おそらくゲームをしているユーザーのその構図そのものを
  コンセプチャルに捉えたい狙いのでしょうが
  その場合完全にストーリーが整っていない。

  

  さらに我慢して進めると
  よくわからないまま穴にいったら、光ってる人がいて


  「このまま前を進むか、平穏な暮らしにもどるか?」
  この光ってる人頭おかしいとしかおもえない台詞。


  こちらには前提と情報がないので選べないわけ。


  選択できる状況にするにはこちらが
  
  このまま前にすすんだら、何があるのか知っている。
  平穏な暮らしに戻る場合、穴があいた世界?それとも元通り?か知っている



  でこれまで出てきた人物達が剣を振ってくる。
  究極の選択状況もつくりだせていないし、
  もうここまでくるとついていけないんです。



  これを成立させたかったら
  なんどもいいますが
  界王界に行く理由を予め知っていて、

 
  例)わたしが界王にならない限り、世界は救えない


  など主人公の動機をストーリーに落とし込まないと
  前進する理由もわかりません。
  
  アヴァンというキャラクターが創造した世界では
  どうしてもクリアできない問題につながっていて


  それを改善するためにプレイヤーがいる。

  シナリオっていうかさもう、もっと人と話そうね。
 このシナリオライターの方の会話って
 だれも理解できないレベルなのでは?



  それくらい誰かに
 何かを理解してもらいたいという
 筋道の基本がなってないわけ。



余韻

  優れた作品の中には余韻というものを残して
  視聴者に語りかけるものがたくさんあります。

  余韻の使い方は、やはり、なにかが明らかに解決した後の
  惰性による変化であったりもしくはその期待であります。

  それにより視聴者の動いた感情の波であり
  心の波紋が起こったときに起こるものです。


  今回の場合、いきなりポーンが「マスター」の叫びで
  同一化したので、余韻よりも疑問が先立ちます。
 
  構成上で言うと界王界での自決後、
  いきなりポーン主役目線にスイッチしていることになります。
  混乱の原因ともなりえるでしょう。
  
  
  主人公を変えたい場合はスイッチする表現が不可欠です。

  例)覚者の意識が飛ぶ中で、ポーンに手を差し伸べる など

  さじ加減や表現方法はもちろん多岐にわたりますが
  視聴者にここで主人公が明らかにかわります。
  と目線を変えさせねばなりません。

  
  エンドに疑問をもたせず、いいさじ加減で余韻をのこすには
  何度も言っていますが、伏線が不可欠です。

  
  一番近しい伏線は、エレナのエピソードがそれにあたります。
  ただし、こちらはメインクエストでないために
  プレーヤーによっては未経験になり、語り部として本来果たすべき役割を
  放棄してしまっています。
  そしてこのエンドを成功させたければ
  目覚めた後にくるのは好感度あげたNPCでなくエレナ一択しかありえません。
  それによって視聴者の余韻を確実なものにします。
  


■ストーリーの欠かせない要素


選択のジレンマ(リターンとリスクの選択)


  決意ある選択にはジレンマが欠かせません。
  何かを選んだら、何かを失う原理に葛藤がうまれ
  ユーザーの人間性に訴えかける選択を迫ることになります。


  DDで作れたジレンマの例を作成してみましょう。

  例)エリノアの救出か、領王の信頼のいずれか
  
  エリノアを救出した場合のメリットと
  領王の信頼を得た場合のメリット

  例えば武器防具やアイテムに反映されるもの。  
  あるいはポーンの性格に決定的な要素を与える。

  などゲームのスケールに関わらず
  やりようはいくらでもある。

  
  DDの選択はすべてその状態ではない。
  
  どれもがチープな選択で、いずれを選んでも腹が満たせる
  ファミレスのメニュー選びとなんらかわらない。


  DDの選択をひとつあげてみます。

  メイソンが救済の幹部から情報を聞き出して?
  幹部の処理を覚者にゆだねます。
  
  「こいつはあっしと覚者に関係があることをしってやすぜ。
  あんたに処理をまかせまっせ」

  
  この殺害の是非は究極の選択風に描かれます。

  このシナリオライターの頭の悪さに驚愕する。


(1)既に救済から敵対勢力とみなされている覚者。
(2)覚者にとってメイソンとの関係が知られてもデメリットがないんです。
(3)覚者とメイソンに主従関係もなく、ただの対等な立場同士であることから
   情けをかけてやる意味もない。



  この時点ではメイソンが覚者に暗殺をお願いする立場にあって、
  覚者を試すことはできないんですよ?
  
   幹部を殺したら○○○○になる
   幹部を殺さなかったら○○○○になる
 

  この○に覚者にとってその後の進行を占うような
  良い面と悪い面に落とし込まないとだめなんですよ?

  立場と状況設定を間違えた質問設定だけでなく、
  殺さなかった場合メイソンが
  あんたと関わらないと言われるか否か程度で
  それ以外に何も影響がない時点でダメ。

  
 これ以外にもいつくか選択をせまる要素がありますが、
 どれも軒並みびっくりする軽さ。



  チープな選択をつかって決意なるものを
  テーマとしているわけですからペラペラになるの。



 ジレンマのある選択を描くというシナリオ技術は基本中の基本。
 なぜなら葛藤がないものはドラマではないから。
 


これらの基本中の基本的なストーリーラインを整えつつ


どのように目線を誘導していくか
どのようなひねりを加えるか
どんなエピソードをレイアウトするのか


ファンタジーとは、荒唐無稽でよいわけではありません。

現実問題、人生教訓などを幻想的に比喩表現したもの=ファンタジーです。

最後にロードオブザリングであてはめてみます。

  サウロン率いるオーク 金の亡者あるいは大企業など
  サルマン 金に目がくらみ己の大地を汚す地方有力者など
  エルフやドワーフ 他の人種や価値観の違う者たち
  ホビット 破壊的な力がまるでない者
  リング 金あるいは力
  
などはめることが可能であり、そのストーリーにはコンセプトが
しっかりとあるわけです。




■あとがき


  日本製エンターテイメントの近況を眺めるかぎり
  そもそも日本語圏が中心でのソフト開発では
  対象人口が約1億人規模にとどまるのに対し
  英語圏では対象人口は世界中になる。
  この対象規模差は人材的にも金銭的にも
  作品作りに大きなハンデを背負う事になる。


  さらにいうと、日本製ドラマツルギーの基盤は
  世界ではアウトサイドの部類に入るために
  ハード面でもソフト面でもグローバルスタンダードと異質。

  そもそもストーリーの歴史は各地方それぞれの寓話から始まり
  やがて伝承や神話へとニーズや規模に変えてうまれてきた。

  地形的な要素を加味してのストーリーテリングが
  行われている。

  巨大な大陸を背景に生まれたものだというのは想像に難くない。
  緊張感を大事にするストーリーたちは、そもそもが言葉も通じない人種、
  あるいは価値観の全く違う人種との争いの歴史があるのです。

  主な出荷先である欧米やアジアのほとんどは島国ではない。

  JPRGやアニメや日本映画によくあるソレは、
  どんな状況であれ敵対勢力が
  ほぼ同じ道徳観の延長線での相違であることが多すぎる。
  つまり「話せばわかってくれる」という余地を残している点が
  根本から違うことにもっと気をつかうべきです。
  

    戦わずしてもなんとかなるのではないか?
    政治的な駆け引きがあればなんとかなるのではないか?
  

  それが全体的な緊張感を引き下げる事につながってしまう。


  DDのドラゴンにも界王にも意思が見えない。
  
  なにがしたいのかよくわからないからドラゴンが恐くない。
  
  なんか融通が聴きそうな余地がある。


  本来強敵とは、
  宗教的価値観、正義の不一致、欲など
  アイデンティティの相違がある世界で
  圧倒的な力が描かれ
  そこに絶望がうまれてこそ
  主人公の立ち向かう意思が問われることなる。


  もっと勉強しなさい。シナリオライター諸君。


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  仮に株式会社カプコンが、本当に海外マーケットに売って出たいのであれば
  ストーリーの完成はもちろんのこと
  さらに洗練されたものを構築しなれければならないように感じる。


  スケール的に見劣りする開発環境では1本道JRPGは間違っていないように思う。
  
  ならばよりストーリーを洗練させ、アクションを巧みにすれば
  
  グローバルマーケットでもエッジがでてくると思うのである。


  そうして初めて世界からその作品はドラゴンになると思う。



  世界でメジャータイトルになるのは、
  まず日本と世界の違いをよく勉強すべきである。
  そして日本らしく、ストーリーを成熟させていこう。



  がんばれ日本。