今から20年前、まだまだ駆け出しの頃、
見込み客がいなくて、明けても暮れてもポスティングをしていた。
朝は地下鉄の入り口で手渡しして、
日中は中央区、西区の雑居ビルのポストに軒並み入れてまわった。
1000枚まいても反応なし、2000枚まいても反応なし、
3000枚まいても4000枚まいても反応ない
行くところがないから、もうこの仕事やめようかと思った時、
やっと一枚の返信ハガキが戻ってきた。
資料希望のところに赤えんぴつで丸がしてあった。
天にも登る気持ちだった。
早速次の日、パンフレットと提案書をもっていった。
4階建のビルの3階に目的の事務所があった。
古いビルなので階段しかなく、一歩一歩踏みしめるようにのぼっていった。
しかし、ドアの前で固まってしまった。
「何を話したらいいんだろう」
「断られたらどうしよう」
弱気の虫が出てきた。
明日出直そうと、
自分で自分に言い訳をして階段を降りた。
帰り道で、
「もう一度行って見よう」という思いが起こり、
ビルの三階まできた、でもやはりドアをノックしようとした時、
右手が前に出なかった。
「明日来よう」と、また自分に言い訳をして階段降りた。
一歩一歩降りて行き、1階にたどりつきそうになった時、
ふつふつと自分の中でなにかが湧き起こってきた。
「あかん、このままいったら終わってしまうわ」
最後の一歩を踏みおろす前に体が上を向いいた。
一段飛ばしで一気に3階までかけ上がった。
無我夢中でノックをした。
すると、中からやさしそうな年輩の女性が出てきた。
「あんた、うちの息子に似てるから一口入るわ」
私の営業はここから始まった。
この方との出会いがなかったら今の自分はいなかったと思う。
今日この方と食事をした。
来年でこの事務所をしめるそうだ。
今から考えたら笑い話かもしれないが、
今から考えたら笑い話かもしれないが、
当時の私にとっては、
このことが仕事をやっていけるかどうかの分岐点になった。
20年間本当にありがとうございました。
20年間本当にありがとうございました。
感謝をこめて