新日本フィルの演奏会で久々涅槃交響曲を聴いた。
とても良かった。
過去に聞いたディスクやライブは いわば時代の熱気や意気込みがあふれた熱い演奏。
に対して今回の下野による演奏はまったく発想が違う。
意気込みよりも むしろ冷静さをもって音を十分に整理してきれいな演奏だった。
だから熱い演奏ではないが 美しい 演奏だ。といって迫力が無い演奏ではない。
それが合唱によく表現されていたように思う。こんなに美しい 荒れていない涅槃の合唱は初めてだ。
黛のこの傑作が 特別の現代音楽あるいは現代の古典だった時代をさらに越えて
特別ではない ただの傑作のひとつとして どう表現したらおもしろいか という観点でそのひとつの
アプローチとして演奏されたわけだ そんな時代の経過をつくづく感じた演奏だった。
まあしかし 欲を言えば 最後のアカペラで昇天してゆく部分はイマイチ盛り上げ
が欲しい気がした。
ほかに三善の傑作オケコン。 この演奏は文句無くすばらしい音で まさに当時のサウンドを満喫できて
涙が出た。というか 三善のサウンドとや語法いうのは時代を経ても古くならない卓越さをもつ音楽だと感じた。
他方矢代のピアノコンチェルトはいかにも古臭い音だし語法だ。良くも悪くもその時代特有のにおいがある。もちろん傑作だが。