第二条 労働者災害補償保険は、政府が、これを管掌する。


第二条の二 労働者災害補償保険は、第一条の目的を達成するため、業務上の事由、複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に関して保険給付を行うほか、社会復帰促進等事業を行うことができる。

こちらの法律ですが、令和2年(2020年)9月1日から施行される「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和2年法律第14号)」において、改正がありました。

それに伴い、労働者災害補償保険法 第2条の2も改正となっております。

加わった部分は、

複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする事由

の部分です。

管掌

労災保険は政府が管掌しています。

具体的な「事務の所轄」は、次の通りです。

  • 都道府県労働局長 各給付基礎日額及び資料提供やその他必要な協力の求めに関すること
  • 所轄都道府県労働局長 労働者災害補償保険に関する事務
  • 所轄労働基準監督署長 保険給付(二次健康診断等給付を除く)、労災就学等援護費、特別支給金の支給等の事務

イメージとしては、厚生労働大臣の権限を委任して、都道府県労働局長が事務を執り行い、さらに給付に関することは、労働基準監督署長が都道府県労働局長の指揮監督を受けながら行う、という感じです。

都道府県労働局と労働基準監督署のちがい

都道府県労働局は、労働保険料の徴収の事務を行っています。労働紛争を解決するためのあっせん、労働者からの相談受付も行っています。厚生労働省の出先機関として、各都道府県に設置されています。

労働基準監督署は、労働基準法等の違反を取り締まるための機関です。ただし、何らかの違反があったとしても、労働基準監督署が行えるのは「是正勧告」となり、強制力はありません。労働者の相談も受け付けています。

ちなみに、都道府県労働局や労働基準監督署の上部組織として、労働基準局があります。最低賃金法や労働基準法などの解釈や運用について通達を発する機関です。労働基準局は、厚生労働省の中にあります。

労働者に限らず、経営者も「どの窓口にどんな役割があるのか」について、大まかにでも把握しておくといいでしょう。