災害やアクシデントにより、事業を中断せざるを得なくなった際に、事業が中断した場合の影響について考えます。

影響について検討する事項は次の通り。

①重要業務の選定

②目標復旧時間・レベルの検討

③重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度

①重要業務の選定

災害やアクシデントにより、機械が壊れたり、インフラがストップしてしまったりなどした場合、どの事業から優先的に復旧させるかについて検討します。


【検討する内容】

・ 全体への売上の影響度はどのくらいか(その事業が売上の何割をしめているのか)

・ 利益への影響度はどのくらいか(その事業がどのくらいの利益率なのか)

・ 資金繰りはいつまで持つのか

・ 得意先との関係にどの程度影響を及ぼすのか

・ 社会的な影響度はどのくらいか

・ その事業の将来性はどうなのか

・ 従業員の配置の割合はどうなっているのか

など、多面的に検討します。


【事業例】

たとえば、会社の中に3つの事業が存在するとします。

A事業:自動車部品の下請け。

     売上の7割を占め、利益の4割を占める。従業員の7割が従事。

B事業:医療用機器の部品の製造。

     売上の2割を占め、利益の5割を占める。従業員の2割が従事。

C事業:介護用具の部品の製造。

     売上の1割を占め、利益の1割を占める。従業員の1割が従事。


まず、全体への売上を重視すれば、事業Aが重要業務となります。

しかし、利益ベースでみるならば、売上が全体の2割であるのに、利益の5割を占めるB事業が重要業務となります。

資金繰りを考えれば、A事業の売上が入ってこなければ資金がショートするかもしれません。

得意先との関係はどうでしょうか。

A事業では、大手メーカーとの付き合いであれば、大手メーカーにとっては、代替先がたくさんあり、当社が当面の間、製造中止になったとしても、大した影響はないかもしれません。

社会的な影響についても、B事業で取り扱っている医療機器が透析の機器だったらどうでしょう。当社にしか作れない部品があって、その部品の供給がストップしてしまえば、透析の機器の製造全体が中断されてしまう、このような状況であれば、何をおいても製造を早期に再開させる必要がありますし、社会責任を果たすためにも代替先を用意しておくことが必要です。

事業の将来性についても考えましょう。

今後、高齢化社会になるにつれ、医療機器、介護用具の需要は高まるかもしれません。

現在は高度な技術により高い利益をあげているB事業でも、新技術の代替などにより今のような高い利益率を維持できないかもしれません。

さらに、従業員の雇用です。

従業員の雇用を守るためには従業員の7割が働くA事業を残すべきでしょうか。

それとも、従業員を多能工化し、将来性のあるB事業やC事業に移動させるべきでしょうか。


これらのことを総合的に判断し、重要業務を決定します。

単一事業の場合では、取引先別に検討するやり方もあります。

いずれにしても、重要業務を選定するには、いくつかの基準を設け、

それに照らし合わせて、1~5段階評価などで業務ごとに評価をしてみることです。


静岡県では、重要業務の選定の際に使用する様式を公開しています。

こちらを参考に業務の選定を行うことも整理する上で有効だと思われます。


【様式3】重要業務の選定