東海地震や南海トラフ地震など、大規模な地震の発生が予測されている静岡県では、中小企業が簡易にBCPを作成できるモデルプランを全国に先駆けて策定しました。
その後、各地の大地震、大型台風の襲来、感染症の流行などさまざまな災害を経て、そこから得られた教訓を反映し、静岡県事業継続計画モデルプランは改定してきました。
現在は、静岡県第4次地震被害想定に対する減災対策などを盛り込んだ第3版が最新となっています。
静岡県第4次地震被害想定では、具体的な被害を算出し、被害の全体像を明らかにしています。比較的発生頻度が高く、大きな被害をもたらす地震・津波をレベル1、発生頻度は極めて低いが、甚大な被害をもたらすあらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波をレベル2とし、レベルに応じた被害の規模、大きさなどをシミュレーションしています。
たとえば、レベル2の被害想定では、最大33mの津波が地震発生後最短で2分で襲来すると予想されており、大きな揺れのあと2分で命を守る最善の行動を取らねばならず、それには日頃の訓練と万全の備えが必要になります。
東日本大震災の津波のすさまじい破壊力を目の当たりにし、あのような津波が2分で到達してしまうのであれば、どんな対策をしても無意味だと思われるかもしれません。
しかし、しっかりとした対策を講ずれば、必ず被害は軽減します。
レベル2ではとにかく命を守る行動を優先します。
レベル1では、命を守ることと加えて財産を守ることも考えていきます。
経営資源が限られている中小企業の事業主さんほど、BCP対策を講じる必要性があります。現在、日本の生産現場では、複雑なサプライチェーンが張り巡らされ、国内のある1か所が止まってしまえば、国内、海外の生産がストップしてしまうという状況にあります。
現に、東日本大震災の時には、被害はほとんどなかった静岡県内の企業で、サプライチェーンの寸断により倒産した会社がありました。
自然災害が甚大化する今、過去の教訓を受けて、BCPを改定していくことも重要ですが、静岡県事業継続計画モデルプラン(第3版)では、第4次地震被害想定の地震が発生したという「原因事象」ではなく、「機械、備品が破損した」「従業員が出勤できない」などの「結果事象」に着目して計画を作る重要性を説いています。
「原因事象」ではなく、「結果事象」に対して講ずるBCP対策であれば、地震や津波だけではなく様々なリスクに対応可能なものとなります。
自然災害の深刻化、サプライチェーンのグローバル化、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しいです。
①「結果」に着目したBCP対策
②企業の枠にとどまらない広域連携
③サプライチェーンの強靭化
BCP策定を通じて、経営体制の強化を図ることができます。
専門家と一緒に今必要な対策を始めましょう。