昨日書いた弟とは別の弟の話。弟は二人いて、こっちは上の弟。
5年ほど前、プロボクサーになるために上京していた弟は
不眠症になって帰ってきた。
プロにはなれたけど、ボクシングだけをやっていけるほど社会は甘くない。
バイトをしながら、ボクシングの練習、寮に帰ると食事当番。
弟は心底疲れてしまって不眠症になってしまった。
夢にやぶれ、帰ってきた弟を見るのは辛かった。
それでも、睡眠薬を飲みながら地元で働き始め、
家は落ち着いたかのようにみえた。
高校に入った一番下の弟。
中学までの成績はとても良いもので、入った高校も進学校だった。
ところが、高校に入ると成績はがた落ちに。。。
部活で野球部に入っていたのだが、それもうまくいってないらしい・・・。
もともと気の弱い、優しい弟で、あまり愚痴を言ったり会話も必要なことしか話さない。
そんな弟で特に心配はしていなかったけど、
高校2年の時、急に登校拒否になった。
最初は家族もわからなかった。
家に毎日いる専業主婦の母親でさえ気づかなかった。
ある日、学校から電話がかかってきて気づいたのだ。
「今日、学校に来ていませんが、どうかしましたか?」
朝はきちんと学校へ出かけて行った。
帰ってきた弟を母親は問いただした。
「今日は図書館にいた。」
それからというもの、弟は学校へ行きたくないのを我慢しなくなった。
私たちは背中を押すつもりで「今日は大丈夫だからいってらっしゃい。」と、弟の気持ちも聞かず
元気づけたつもりでいた。多分それが悪かったんだと思う。
もともと自分の気持ちをうまく話せない弟は、学校の何が嫌なのかを伝えることができなかった。
いじめられてるかも、学校の成績が良くないからなのかも、理由は結局のところ今でもわからない。
その後、「俺は普通だ」という弟を無理矢理連れて行った精神科の検査結果は
精神分裂病
だった。