懐かしいけど、新しい。ずっと荒井由実の世界が好きだった。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

ユーミン

1972年、「返事はいらない」という1枚のレコードで、後のスーパースターはデビューを果たす。実は、たった300枚しか売れなかったらしく、その曲を知ったのは私もアルバムの中だった。それが、翌年に発表された写真のLP「ひこうき雲」なのだ。もちろんユーミンのファーストアルバム。初めて聴いた時、特に「ひこうき雲」にはドキッとした。歌謡曲ではなく、フォークでもないから、ニューミュージックというジャンルで表現されたほど、音楽的にも新しかったのだけれど、いちばん新しいと思えたのは、その透明感だったような気がする。このアルバムに収録された曲のタイトルを挙げただけでも、「ひこうき雲」「返事はいらない」の他に、「きっと言える」や「ベルベット・イースター」など、何か今までとは違う価値観がそこにキラキラしていた。このアルバムの帯に書かれている「魔女か、スーパーレディか ! 新感覚派・荒井由実登場。」というコピーも、あながち嘘ではない。続くセカンドアルバム「MISSLIM」の「海を見ていた午後」という曲には、山手のドルフィンという実在のカフェが出てくる。歌詞の中にドキュメントを入れるというのも、当時は新鮮なセンスだったし、ユーミンならではのアイディアだったのだろう。♪ソーダ水の中を 貨物船がとおる♪ その余韻に浸ろうと、実際ドルフィンに通った人も多かったと聞く。あの頃、近くにあったら私も通ったかもしれないなあ。

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