笑顔は、平和から生まれる。札幌オリンピックで感じた冬。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

札幌五輪

冬と言えばフィギュアスケート、フィギュアと言えば今や羽生結弦。その華麗さは、文句のつけようがないし、もちろん実力も世界が認めるところだ。ただ、私の中ではちょっと違う。フィギュアという言葉を知ったのも、その美しさを感じたのも、1972年の冬季五輪「札幌オリンピック」だった。フィギュアスケートと言えば、そう、銀盤の妖精ジャネット・リンの笑顔が今も浮かんでくる。舞うように滑りながら、揺れるブロンドのショートヘア。その可愛さに、その容姿に、あの寒い冬がどれほどあたためられたことか・・。日本がまだまだ若かった高度成長期、オリンピックのメダルの数は国の栄華を誇示するものだった。70メートル級のジャンプでは、日本が金・銀・銅を独占し、その栄誉は「日の丸飛行隊」と賞讃もされた、そんな折である。ジャネット・リンの滑走には、メダルのプレッシャーは少しも見えなかった。転んでも笑顔で立ち上がり、何も無かったように楽しく滑るその姿に、観客は拍手を惜しまなかった。オリンピックとはこういうものだ。そんなことを教わったようで、当時私は(いや、私たちは)アメリカという国の豊かさを感じた。♪ぼくらは呼ぶ あふれる夢にあの星たちのあいだに 眠っている北の空に きみの名を呼ぶオリンピックと♪ テーマ曲だった「虹と雪のバラード」を聴きながら、ひとつひとつ大人になったあの頃。ジャネット・リンが見せた笑顔のヒミツを、今年はもう一度、自分なりに探してみようかと思う。

人気ブログランキングへ