日本の中の日本人、その人口を知らず
席替えは、ドキドキするものだ。
「あぁ、また前の席かぁ」「後ろでよかった」とか。いつも慣れ親しんだ教室ではとても退屈なものになってくるはずなんだけど、自分のいる位置や周りのみんなが入れ替わるだけで、妙に新鮮で心持ちになったりする。たかだか30人の世界でも、その広がりは果てしない。
そんな気持ちを社会で味わおうとすると、「家替え」ってことになる。引越しではなく、「家替え」。自分だけが移動するのでなく、みんな替わるから。法律では決まっていないけど、何となく決まっている慣例みたいなものだろうか。
去年の年末は一軒家だったけれど、今春は、マンションの1階。秋は、知らない家族と同居ってこともあり得る。「あぁ、次もここかぁ」「今冬は南でよかったわぁ」とか。
自分の住む場所や周りの住民がコロコロ替わるので、「家替え」できたとしたならば、この日本に1億2千万の人たちが住んでいるって実感を今より少しは味わえるのかもしれない。
