※この記事は、2017年3月18日(土)に行われた『ユニゾン!リスナーが集まるすっごいオフ会』のリポートとなります

『ユニゾン!リスナーが集まるすっごいオフ会』インサイドレポート ~前代未聞の公式オフ会はラジオ好きしかいない幸せな空間だった~
文/村上謙三久(『声優ラジオの時間』)

■オフ会が決まった経緯

 今回のオフ会は、2016年12月15日放送の『ユニゾン!ダサンタがあなたの願い叶えます!』において、ラジオネーム・招かない猫さんの投稿が採用されたのがキッカケだった。

 「私にはダサンタさんにしか叶えられない1つの願いがあります。それは『ユニゾン!』リスナーが集まるすっごいオフ会がしたいということです。私は『ユニゾン!』のパーソナリティ4人の大ファンですが、それと同じぐらいリスナーさんのファンでもあるんです。メールが頻繁に読まれる常連リスナーさんは、リスナーさんの鏡として、ある種、尊敬の的です。そんな常連リスナーさんを特別ゲストとしてお呼びし、『メールが採用される秘訣は何なのか?』などをお聞きしながら、みんなと楽しくお食事などしたいのです」
※以上、放送から引用

 この投稿を読んだパーソナリティの鈴村健一さんが「こんなの普通のラジオではやらないでしょ。この『ユニゾン!』木曜日でしかやらない!」と即決し、招かない猫さんをレジェンドリスナーが囲むスタイルで『ユニゾン!リスナーが集まるすっごいオフ会』の開催が電撃決定。2017年3月18日に、『ユニゾン!』木曜日にゆかりのある埼玉の中華料理屋・龍園で行うことになった。



■最初は緊張感に包まれていたが……

 この日、集まったレジェンドリスナーは「いなかっぺゆうこりん」さん、「温泉まんじゅう」さん、「快速車庫ライナー」さん、「かげっち」さん、「花粉症つらい」さん、「カレー屋で猫と二人」さん、「潤歌」さん、「すずりな」さん、「静寂と孤独」さん、「つっきーな水無月」さん、「てぃひろん」さん、「なる」さん、「はんぺん侍」さん、「B.J.さとる」さん、「光るパウムクーヘン」さん、「美奈」さん。「招かない猫」さんを加えると合計17人で、男性5人:女性12人。北は北海道から南は福岡まで全国から猛者が集結した。

 スタッフからは構成作家の伊福部さんのほか、プロデューサーの山形さん、ディレクターの大野さん、アシスタントディレクターの中川さん、映像担当の海老名さんが参加。伊福部さんが司会進行を務めた。

 開場時間は17時30分。一様に緊張した面持ちで席についていく。まずはトーク用のアンケート用紙に記入してもらうことに。真剣に書き込む姿を見た伊福部さんが「凄い静か……。みんな職人さんだからねえ」と関心していた。



 初めて会ったリスナーも多く、最初は緊張感に包まれていたが、やはり同じラジオを愛する者同士。餃子グリラー・グリグリグーリーを見に行ったり、お土産を交換したり、JKの意味を言い合ったりと、すぐに和やかな雰囲気に。飲み物を配る際には「“オ~レンジ”がいい人?」と火曜『ユニゾン!』のリスナーらしいトークも展開された。



■伊福部さんの撮影会&大野Dの熱唱にリスナー興奮!

 エビチリ、カニチャーハン、スティック春巻き、鶏の唐揚げ、サラダ、そして健ちゃん餃子などがテーブルに並ぶと、今回の企画の発案者・招かない猫さんによる乾杯の音頭でいよいよイベントがスタートした。



 まずは食事と歓談の時間となったが、「僕らはフリー素材なんで自由に撮ってください」という伊福部さんの発言を受けて、即席のサイン会&撮影会に。まるで記者会見の囲み取材のように、伊福部さんを囲んだリスナーたちはスマホのカメラで激写。ダブルピースを作る姿を連写する女性リスナーからは「カワイイ!」という声も漏れた。



 他のスタッフも和やかに対応。大野Dもダブルピースで撮影に応じる……と、ここで番組でも披露した美声(?)を聞きたいという声が。てぃひろんさんが先週誕生日だったことが発覚すると、「歌って!」コールが発生。大野Dは「とんだピエロですよ」と苦笑しながらも、やると決まったからには全力で、情感たっぷりに(?)「ハッピーバースデー♪」と熱唱する。最後は「ハッピーバースデー・トゥー・ミー♪」とオチを付けると、一部のリスナーからは「ヤバい!」「感動しました!」という声が飛んだ。

■リスナーがインタビューでラジオへの思いを激白

 早くも異常な盛り上がりとなったが、ここから各リスナーのミニインタビュー。(一部を下部に掲載)
 伊福部さんがインタビュアーとなり、マイクを持ちながら取材に応える形に、さすがのレジェンドリスナーも緊張している様子。それでも、番組の魅力や投稿する際の注意点、印象的な企画などを熱のこもった表情で語っていた。

■そして、19時21分にサプライズが起こる……。

 

 インタビューの真っ最中、突然伊福部さんが特別ゲストが来ると発表する。ざわめく場内。「まさか?」の声。そして、それが、悲鳴のような大歓声に変わった。突然、龍園にパーソナリティの鈴村健一さんが姿を現したのだ。

 この日、鈴村さんはMOVIEさいたまで行われた『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』の舞台挨拶に参加。その足で急遽、龍園に駆けつけた。リスナーの反応に戸惑った様子の鈴村さんは「こんばんは。状況が全然わからないけど(笑)。来ました。どうもどうも。鈴村健一です」とあいさつ。再び大歓声が巻き起こる。女性リスナーには突然の登場に泣き出す人も。直立不動でしばし呆然としていた男性リスナーの姿もあった。

 さっそく餃子を前にすると、「これが噂の健ちゃん餃子? 勝手に名前を付けた健ちゃん餃子?(笑)」と確認する鈴村さん。口を付けて「うーん、メッチャ冷めてる!(笑)」と笑いを取りながらも、「でも、美味しいね」と満足げだった。その後、グリグリグーリーも確認。龍園の皆さんを「大事に使ってくださいね。これからも頑張ってください」と激励していた。



 ここからは鈴村さんも加わり、さながら公開録音状態に。泣き出す女性リスナーを「来て欲しくなかったのかな? じゃあ、帰ろうか。泣かしたらいけないよね」と笑顔でイジリはじめると、リスナー全員が同時に「イヤイヤイヤ!」と完璧なツッコミを見せる。「すぐ乗ってくれるわ。ボケ甲斐がありますな」と大喜びの鈴村さんは、「ただの家族会みたいだね」とアットホームな雰囲気にすぐに馴染んでいた。

 企画者である招かない猫さんとも対面。感激した招かない猫さんは「このたびはこんなに素敵なダサンタさんのプレゼントありがとうございます」と頭を下げると、鈴村さんは「だいぶ時期は遅れましたけど、満足していただけましたか?」と合いの手。すかさず招かないネコさんが「靴下には入りきれない素敵なプレゼントをいただいております」と返すと、鈴村さんが「ちょっと待って。仕込みの人みたいにコメントがうまいよ(笑)」とツッコむ……と漫才のような掛け合いに会場は笑いに包まれた。

■最後に鈴村さんが熱いメッセージ

 参加者から『ユニゾン!』全曜日の中で一番正しくラジオネームを読んでくれるという声が飛ぶと、「俺が偉いわけ? もっと褒めて(笑)。あと、ここじゃないところでも褒めて。スゲエって(笑)」とニヤリ。そして、「俺が一番ラジオをちゃんとやってるからな。これは言っておくぞ!(笑)」と強調していた。

 残りのリスナーインタビューにも鈴村さんは参加。全員分の収録が終わると、ここでイベントはお開きに。鈴村さんが改めてあいさつ。「皆さん、本当にお集まりいただきありがとうございます。頭から来られなくてすいませんでした」と話し始めた鈴村さんは、「リスナーさんの夢を叶えるという企画から始まりましたけど、招かない猫さんのために開かれたものではありますが、こうやってリスナーみんなが会えたのが素晴らしいことだなと思いました」とまず参加者に語りかけた。

 さらに、「今日はこの人数ですけど、『ユニゾン!』は何千人、何万人が聴いてますから」と参加できなかったリスナーの存在にも目を向け、「こうやってラジオはいろんなところで繋がっているんだなってことを僕も今日わかることができたし、皆さんも繋がれたことを身に染みて感じたんじゃないかと思います。これからも『ユニゾン!』を支えていただきたいですし、他にもいろんなリスナーさんがいますから、ぜひ仲良くなって『ユニゾン!』の輪を広げていただけると本当に嬉しゅうございます」とラジオを介して“ユニゾン”することの楽しさを説いていく。そして、「今後とも『ユニゾン!』をどうかひとつ盛り上げてください。ありがとうございました」と締めた。

こうして“オフ会・オブ・オフ会”は異常な熱と余韻を残しながら、当初の終了予定時間から20分近く延長したものの無事終了となった。

お笑い芸人の深夜ラジオには「番組の打ち上げに出待ちに来たリスナーを呼んで、一緒に飲んで語り合う」という独特な伝統がある。形こそ違うが、声優ラジオとしてはありえないオフ会が実現し、また1つ、木曜『ユニゾン!』は“ラジオ・オブ・ラジオ”らしい伝説を作り上げた。


<リスナーインタビュー>
※聞き手=伊福部崇、取材・構成=村上謙三久(『声優ラジオの時間』)


もしかしたらメール採用のヒントが隠されているかも…

①【「いなかっぺゆうこりん」さん】
――いなかっぺゆうこりんさんはご自分で考えた企画を番組の中でやりましたよね。やってみてどうでしたか?
ゆうこ 一番後悔したのは電話です。
――番組の最後に電話を繋いだ時ですね。どうしてですか?
ゆうこ もう緊張しすぎて……。友達も聴いてくれてたんですけど、あとで「ありがとうございますしか言ってないじゃん!」って言われて(笑)。自分で聴いても凄く恥ずかしかったです。

②【「快速車庫ライナー」さん】
――『ユニゾン!』木曜日の魅力って何だと思いますか?
快速 木曜日までずっと平日を過ごしてきて、凄く疲れているところに、伊福部さんがおっしゃっているように風邪引きそうなぐらいの木曜『ユニゾン!』の温度差がガーンと来ることによって、これから週末に向けて体力を回復できるというか、そういう生き抜くための力がつくような……。そういうところが魅力なんじゃないかなって。僕なりの観点で考えたところなんですけど。

③【「温泉まんじゅう」さん】
――アンケートの「印象に残っている回」は「プレゼントの回全部」って書いてますね。
温泉 「ジャンククラッシュとかあったしなあ……」とかいろいろ考えたんですけど、やっぱり龍園さんに餃子グリラーをプレゼントした時もあったし、他にもTシャツをリスナーと作ったりとか、木曜『ユニゾン!』だけちょっと変っていうか……(笑)。

④【「花粉症つらい」さん】
――ネタを送る時に気にかけていることは「読みやすいようにできるだけシンプルにするように心がけている」と。やっぱり読みやすい方が読まれるんじゃないかと考えて?
花粉症 ですね。あと、読む方が……鈴村さんはよく私のメールで噛まれるんですけど(笑)、できるだけ読みやすいようにしたほうがいいかなって思います。
――実際にそうです。難しい文章でたくさん書いてあるよりも、パッと見の印象で、「これは短くてまとまってるな」と感じたものをまずは採用しやすいので、そのほうがいいと思います。

⑤【「かげっち」さん】
――ネタを送る時に気にかけていることは「普通なことをどう面白くするか?」。これはどういうことですか?
かげ 普通に起こっているようなことを、どう読まれるように面白くするか? 本当のことなんですけど、それをどう面白く書くか? 伝えるか? みたいな感じですね。
――パッと聴いただけなら普通に感じるようなことでも、それをどう面白くするのか。つまり、『一行ハイライト』ってことですね。
かげ そうですね。そういうことです。

⑥【「カレー屋で猫と二人」さん】
――ネタを送る時に気にかけていることは「パーソナリティが読みやすいように自分で声に出して確認している」と。自分で声に出して読んでみるっていうことですか?
カレー 読んでみて、「ああ、ここはちょっと詰まりそうだなあ。1回、句読点を打とう」としたり。「連続で同じ単語を出すのはまずいかなあ」って思ったら、全部消してまた打ち直す時もあります。

⑦【「静寂と孤独」さん】
――印象に残っている回は『ゴリーちゃん引退』。
静寂 たぶん木曜『ユニゾン!』の中で一番笑いました。凄く面白かったです。
――好きなコーナーが『一行ハイライト』って人が多いですね。好きですか?
静寂 好きですね。もし聴き逃しちゃった時でも、「他の曜日はこんなことをやってたのか?」って聴けるので。
――本当にハイライトだと思ってる?(笑)

⑧【「すずりな」さん】
――木曜『ユニゾン!』の魅力は「『ユニゾン!』の中で一番真面目なところと、奥さんへの愛」。
すずりな 鈴村さんがのろけ話をしている時は毎回テンションが上がって、伊福部さんなみにニヤニヤしてたりとか(笑)。1人で部屋で「ふぅ~」とか言ったり。この間のキャンピングカーの話で、鈴村さんが「邪魔するなよ!」って言った瞬間に、テンションが上がってずっとニヤニヤしてました。

⑨【「潤歌」さん】
――ネタを送る時に気にかけていることは「読みやすい。パーソナリティが話題として広げてくれる。熱意」ってことですが、熱意とは?
潤歌 とりあえず自分の思いをぶつけるという意味で、熱意を込めて書いたりしてます。
――『夢クイズ』に送ったことはあります?
潤歌 送ったことはあるんですけど、他の方に勝てないです。

⑩【「つっきーな水無月」さん】
――深夜ラジオ投稿歴が長いつっきーなさんがネタを送る時に気にかけていることは「改行や句読点などが読みやすくなっているか、耳で聞いただけで伝わるか、1回確かめる」と。
水無月 ラジオなので、「1回読んでみてパッと聴いて情景が浮かぶか?」とか、「1回でどういう出来事なのか伝わるのか?」っていうのは気にして書いてますね。あとは、パッと見で、メールの文章に難しい漢字があると読めないと思うので……。
――あっ、火曜日ね(笑)。

<<ここで鈴村さんが登場し、一時中断。再開後は鈴村さんも加わる。>>

⑪【「てぃひろん」さん】
――好きなコーナーは『オリジナル怪人合成会議』。終わっちゃいましたね。
てぃひ 好きだったんですけど。
鈴村 でも、V3がやっつけたからね。
――あのV3のくだりの意味がわかった人います?
てぃひ 全然わからないです(笑)。
――ほら、手を挙げているのははんぺん侍だけですよ!(笑)。
鈴村 俺たちははんぺん侍に刺さるようにやってるんですね。あの剥製のくだり面白かったでしょ? 俺と伊福部さんは抱腹絶倒だったのに……今もみんな全然笑ってないね(苦笑)。

⑫【「なる」さん】
――印象に残っている回は「初めて夢クイズをやった回」。
なる なんかもうレベルが高すぎで。わりと面白い人と普段から一緒にいるんですけど、その子たちも「あのコーナーはヤバいね」っていうぐらいのヤバさなんです(笑)。夢って……ヤバいですよね。
鈴村 夢クイズは職人系のネタではいけないのよ。あれを書いてきている人たちって本当に凄いの。本気で見た夢を書いてきているから。あれには敵わないよね。絶対書こうとしても書けないもの。

⑬【「はんぺん侍」さん】
――印象に残っているのは「バレンタイン企画」。
 『ユニゾン!』リスナーは幸せ者が多いんだなっていう。僕はちょっと幸せじゃないので、悔しかったんです(苦笑)。
――自分がメールを送った回じゃなくて、リスナーとして聴いていた回が印象に残っているんですね。
 そうですね、一番悔しかったという意味では。

⑭【「光るパウムクーヘン」さん】
――ネタを送る時に気にかけていることは、皆さんよく言われるんですけど、「読みやすい文章になっているかをチェックしてる」と。
鈴村 これは大事よ。
パウム 『ユニゾン!』の影響で、うちの高校は選択授業なんですけど、来年は国語科目しか取ってないです(笑)。ラジオで役立てようと思って。
鈴村 大事よ、文章力は。これから社会に出てもさ、作家にならなくてもメールが上手いやつは出世するのよ。それは役に立つね。頑張れよ。
――リアル人生相談になってます(笑)

⑮【「B.J.さとる」さん】
――ラジオ投稿歴は20年あるそうなんです。
鈴村 いやー、凄い! 達人や。
さとる 送らなかった期間もあるんで、そんなには長くないんですけど。
――印象に残っている回は『告白代行』っていうことで。深夜ラジオっぽいですもんね。
さとる そうですね。ラジオの力を感じるなと思いました。
鈴村 ちょっと握手してくれる?(※握手すると拍手に包まれる)。
――今はSNSで返信が返ってきて、それをすぐに報告できると。昔のラジオの良さも、現代の良さも取り入れたっていう。もう自画自賛ですけど(笑)。
鈴村 我々的にも最高傑作の企画だったのよ。
さとる ギャラクシー賞もいけるんじゃないかと思っています。
鈴村 さすがに長年ラジオを聴いている人に言われると痺れるね。今、ちょっと興奮したもん。

⑯【「美奈」さん】
――ネタを送る時に気にかけていることを「自分のにやけ具合で判断する」と書いてあるんですけど、これはどういう意味ですか?
美奈 私っていつも表情筋が全然動かないくせに、面白い時にはすぐにニヤってするんですよ。私、えくぼがあるんで、自分のえくぼの出具合で、「これは面白いんだ」「これは面白くないんだ」っていうのを判断してます。
鈴村 面白いねえ。それで言うと、今日はさっきからずっとえくぼが出てるよ。今日は楽しいんだね。
美奈 楽しいです!