「こんちわー。」

「あっこんにちは」

「何してんの?立ち読み?」

「あっ、はい。休講になってるの知らずに
 早めにきちゃって。田仲君(偽名)は?


「ああー俺は、立ち読みしようと思って早く来た。笑
 何読んでんの?バイト雑誌?」

「あっ、バイトでもしようかと思って。
 田仲君は何かバイトやってるんですか?」


「今はやってない。コンビニでやろうと思ったけど、
 なんか店長と合わんかったからやめた。」 注 5/14 コンビニの面接 参照

「そうなんですか。笑
 あたし、バイトしたことないんですけど、
 面接とかってなんか緊張しそう。」


「まあ油断せんかったら、大丈夫やで。←以前コイツは油断した
 何のバイトするつもりなん?」  

「う~ん、友達とか作れるようなのがいいんですけど、
 何がいいかな。」


「ファーストフードとかビデオレンタルとかは?」

「ああ~そうですね。
 面接って緊張する?」


「苦手なん?まあバイトによるなー
 大学名だけでほとんど面接ないのもあるし」

「えっ何のバイトですか?」

「模試の採点。
 オレの初めてのバイトが模試の採点やってんけど、
 すごいおバカなことしたけど採用された。」

「えっ、なにやったんですか?」

「えっ、聞きたい?
 う~ん・・・わかった君にだけ話そう。

 説明会に行ってその場で登録やってんけど、
 50人くらいきてて、
 登録用紙にハンコ押すところがあって、押そうと思ったら、
 前から直径5㎝くらいの朱肉が回ってきてた。

 けど、オレのハンコはケースにちっちゃい朱肉がついてて、
 ケースに朱肉がついてるのが普通と思ってたから、
 前から回ってきてる朱肉の意味がわからんかった・・。
 だけど皆はなんか使ってる様子。
 皆いったい何に使ってるの?
 おれはいったいに使えばいいの?

 そしてIQ180のオレのだした答えは、
 この朱肉の大きさからして

 おそらく皆、ぼ、拇印を押しているのだろうと・・。
 
 そして、右手か左手かで悩んだ後、
 結局オレは右親指の拇印を押した。



 だけど、違ったんだね。
 普通にハンコを押せばよかったんだね。泣

 この後にオレができる事といえば、
 即座にハンコをしまい、
 『すいません、ハンコ忘れたんですけど、拇印でいいですか?』
 って聞くことだけやった・・。

 だけど、
 『いいですか?ってもうあんた付いてんじゃん、
  しかもハンコ持ってきてたじゃん』
 みたいな顔された・・。」
 
「ぼ・・拇印・・・
 かなり古風な人と思われましたね・・・。笑」


「だけど、だけどな、
 それでも採用された。
 間違えて拇印押したけど採用された。
 オレってすごくない?」

「えっ、あっ、はい・・・。
 確かにすごいです・・・。
 なんか少し頑張れそうな気がしてきました。」





後に、この娘はオレに惚れ、
すさまじいまでのダイエットを敢行するだろう。 前回 ポッチャリ娘×ディレンマ 参照