昨日の夜、立ち読みでもしようと思い
コンビニに向かっていると、1匹のが現れた。
そばには飼主らしき人はいない。

雑種だが、首輪をしていた。
たぶんどっかから抜け出してきたんだろう。
どうすっかな~
実はおれはかなりの犬好き。
はおれを無視してそこらじゅうを嗅ぎまわってる。

しばらく後を追ってみた。
もどうやらおれのことが気になってきたみたいで、
おもむろに口笛吹いてみたら、よってきちゃったよ!
実は結構うれしかった。

おとなしそうだったので、なでてみた。
しばらくなでた後、まあどうしようもないので、
そろそろ行くかと思って歩き出すオレ。

はその場で呑気にアタマを掻いてる。
10mくらい離れて少し寂しくなって
口笛を吹いたら、またよってきた!笑

早歩きすると、むこうも早歩きする。
ダッシュしてみたら、おお、ダッシュしてるじゃん!
そして、いつのまにか真剣勝負。

って結構速い、しかも持久力で負けた。
おれが失速して立ち止まると、
むこうも10m先でとまっておれを待っていた。

いや、これマジ実話やから!
しかも、こっからがまたおもしろい

なんかすごい仲良くなっちゃた。
たけど、食べ物はあげれない。
あげったかったけど、あげたらずっとついてきそうで・・
おれ達は所詮、別々の家に帰らなければならない。
仲良くなったって、お互いの家に遊びに行ったり
できないんだぞ!

きっとおまえの親が許してはくれない。

しばらく、夜中の大通りを2人で歩いていた。
さすがに喉が渇き、おれは自販でジュースを買った。
慎太郎にもあげたかったが、
さすがに犬との間接キッスは無理。

そしてそのことが次の悲劇を生む。
慎太郎は昨日の雨でできた水たまりを見つけた。
やっぱり慎太郎も喉が渇いていたんだろう、
そっちへそれながら歩いていく。
そして、水を飲んで再びぼくの元に戻ってきた時には
僕たちの間にはちょとした壁ができていた。
フェンスだ。





のなんでもない行動が僕たちの間に壁をつくった。
は僕がそばにいるというだけで、
まるでの眼にはフェンスは映っていないかのように
落ち着いていた。
コイツおバカだ。状況がわかってない。

お互いの進んでいる道は決して繋がっていないのに。
そばにいるというだけで進めば進むほど、
お互いの距離は離れていっている。

もちろん戻ることもできた。
だけど、やはり僕たちは別れる運命。
このまま進もうと思う。
それともうひとつの理由は、を試していた。
自分の前に壁が見えたとき、どういう反応をするのかを・・

犬も人もずっと横を見ながら歩くわけじゃない。
いずれは前を見るだろう。
次第に緊張するオレ。
そんなオレの緊張を悟ったのか、単に気になったのか
がとうとう前を見る。

一瞬は何かを真剣に考えて、つぎの瞬間

ものすごいスピードで来た道を戻っていく!


入り口から出て再び僕の元へと帰ってきた。

そして、微笑んだ。

感動した。
どうやら、僕が思っていた以上にの思いは強いようだ。
深夜2時、こうして僕たちの仲はさらに深いものになった・・


よしっ!わかった!わかったぞ、慎太郎
こうなったらやってやる!
認めさせてやる!お前の親に、おれ達の仲を!

・・・

一度家に戻り明日、慎太郎の親に会おうと思った。
さすがに部屋の中には入れれない。
ついてこようとするのを門でさえぎると、
慎太郎は門のところで座って待っていた。

風呂に入りながら、明日のことを考えていた。
風呂からあがり、部屋の窓から門を見ると、
慎太郎はおとなしく座って待っていた。
よし!朝6時に起きてまた一緒に走ろうな!
そして、オレは布団に入った。

なかなか眠れない。
1時間くらいたっただろうか。
慎太郎はちゃんと待っていてくれるだろうか。
そんな不安もあったが、今度は信じようと思った。

なのに・・

は所詮雑種。そう長くは待っていられなかったようだ。
ガチャンガチャンと音がした。
そして、く~ん、く~んとは2度鳴いて去っていった。
おれは窓から呆然と見ていた。
そして、少しだけ泣いた。

・・・

END


朝、ゴミを出しに外に出ると、
門にはお土産(クソ)が残っていたとさ。