江国香織さんの小説・エッセイがだいすきです。

独特の表現とか、言い回しがとてもすきなんです。

 

中でも「流しの下の骨」は私の中では一番。

こと子ちゃんという女の子から見た彼女の日常生活。

無口で勤勉なお父さん、そのお父さんを妻として愛するお母さん。

マイペースで頑固な一番上のお姉さんのそよちゃん、ちょっと神経質なしま子ちゃん。

そして小さな弟(本当は中学生なんですが)のしっかり者の律。

読むとなんだか心の中にすとんと落ちてきて、ふわっと暖かくなるような感じがするのです。

 

仕事が忙しすぎて精神的に不安定な時期がありました。

日曜の夜になるとがくがくと震えてしまってどうしたらいいのかわからなくなるんです。

たぶん不安定どころじゃなく、本当におかしかったんでしょう。

その頃私は仕事でアジア全般の地域を担当していました。

朝出社すると300通以上のメールがダーっとやってくる。

一つ片付けてもどんどん増える仕事。

終電で帰る日々が半年以上続き、とうとう胃潰瘍を患ってしまいました。

当然担当換えとなり仕事を途中で放り出さなくてはいけなくなりました。

私は悔しくて、悲しくて…。

この本にめぐり合ったのはそんな時、この本を握り締めながら会社に通っていました。

いわば私にとってお守りのようであり、精神安定剤のような本です。

 

今も嫌なこととか何かあるたびに読んでいます。

ボロボロになってしまっていますが大切な一冊です。