平昌五輪の米国代表団の団長として韓国を訪問しているペンス米副大統領は9日、北朝鮮の脱北者と面会し、「北朝鮮は自国民を拘禁、拷問し飢えさせる政権だ」と述べ、同国の人権侵害を強く非難しました。

北朝鮮への融和姿勢がにじむ政治色の強い五輪に対し、米国のメッセージが示されているとの声が上がっています。

実際に、ペンス氏は同日、韓国の文在寅大統領が主催したレセプションに出席したものの、北朝鮮の金永南最高人民会議常任委員長と握手せずに、会場を後にしました。滞在時間はわずか5分にすぎず、米朝対話を演出しようとした韓国の計画が失敗に終わりました。

10日付読売新聞は、ペンス氏の訪韓目的は「平和の祭典である五輪を北朝鮮の政治宣伝にハイジャックされないようにする」ためと報じているように、アメリカは「言うべきことは言わせてもらう」という態度を鮮明にさせています。五輪の開会式にも、北朝鮮に拉致された米国人大学生、オットー・ワームビアさんの父親を招待しました。

日本の安倍晋三首相は、文氏との会談で、日韓合意の履行を迫りましたが、国際社会への発信力を強化するために、様々な手段を尽くして、北朝鮮に強い態度を示すペンス氏の五輪外交を参考にすべきでしょう。

日銀の黒田総裁が再任へ 金融緩和に依存する政策からの転換を

安倍晋三首相は、48日に5年間の任期満了となる日銀の黒田東彦総裁を続投させる方針を決めました。任期が5年を超える総裁人事は、1956年から64年まで務めた山際正道氏以来、約60年ぶりとなります。10日付各紙が報じました。

政権は黒田氏を続投させることで、アベノミクスの中核政策となっている「大規模緩和路線の継続」という意思を示すことになります。

⇒アベノミクスは事実上、金融緩和に依存する経済政策となり、その後に打ち出された新アベノミクスも、教育無償化などの社会主義政策になり果てています。

国債をはじめとする日銀が保有する総資産は、500兆円を超え、GDP(国内総生産)に匹敵する規模に膨らんでいます。国債の買い入れというやり方も、限界を迎えつつあります。

金融緩和に頼る政策から早期に脱却し、民間の活力を引き出すためにも、政府は規制緩和や成長戦略に向けた財政出動を実施し、実体経済を底上げすべきです。