宇宙兄弟もとうとう大詰めを迎えている。
(と勝手に思っている。)

宇宙兄弟はタイトルそのまま兄弟が宇宙飛行士を目指す漫画なのだが、宇宙飛行士と同時に主人公はALSという病気と関わっていく。
作品では主人公の同僚がISSでALSのある実験を成功させている。

この漫画を読むきっかけは、以前の職場で最近の面白い漫画の話しになり、その時にあがった漫画の一つが「宇宙兄弟」だった。
宇宙好きの私はすぐさま購入し、今なお愛読書である。

その本を紹介してくれたのが偶然にもダンナの同期で、また偶然にも私の面接官の一人だったから彼の配慮で私はその職場に3日で慣れたし、もっと言えばその何年後にダンナと結婚したのだから、その時雇ってくれた彼には感謝しかない。

なのにだ。
その彼が去年ALSを発症した。

彼は早々に延命治療はしないと決め、症状がで始め在宅勤務になった頃から同期に合うのも拒んでいるようだった。

せめてなにかできることないかと考えが及ばす情けなく、一度LINEを送ったら返信があった。

日々の様子が書いてあったけどそれよりうちのダンナが副作用が辛かったときは大変だったろうと私達の身まで案じ、これからも病気と向き合うと締めていた文章は私に気を遣わせないように言葉を選んだ彼らしいものだった。

誰もが彼のことを話す時、優しい人、我慢の人と言うけれど全くその通りで、ダンナが電話で話した時は病気のことも自分から細かく話してきたそうで、それは相手が聞きにくいことを聞かなくても良いようにとの彼の気遣いだったのではないか。
そして最後まで同期にすら会わなかったのも気を遣わせたくなかったんじゃないか、と。

闘病中彼は周りに何も求めずに、亡くなったあと迷惑がかからないようにと何も残さず、発症から一年も経たぬ間に亡くなってしまった。

彼の生きている内に漫画のようなことが早く起きないかと願う中、慢性骨髄性白血病の薬がALSの進行を抑えた話を知り、治験も行われていると聞けば一縷の望みになった。


残念ながら彼には間に合わなかったけど、変わらず早くこの病気を治す薬ができることを祈っている。

同期で一番早くに昇進し、180cmを超える長身にスタイルも顔も阿部寛似のイケメンから繰り出される自虐ネタは今でも私たち夫婦を笑わせる。

病名の衝撃とこんなに早く亡くなってしまったこともあるけれど、いつまでも私たちの中にはそんな明るく優しい彼が居続けるだろう。

私は弱い人間で怠け者なのですぐに辛いことから目を背けたり投げ出したりしたくなるから、 誰の手も借りずに自由に動けることの感謝と彼の貫いた強い意志を忘れぬよう、彼からの言葉をしたためよう。


病気になって

今まではあたりまえに思って生活していた

人やまわりや自然や食べ物とか空気とか

本当に大切なんだと本気で気づかされました。

なので一瞬一瞬。

日々いろんな事に感謝して生活しています。

元気になって皆んなで笑いながら、

また語えることを願って。

お互いを大切に。