目が覚めたら顔が二つ見えて

「手術終わりましたよ。」

 

あ、終わったんですか…ありがとうございます…。

 

ボヤボヤする頭でお礼を言った。

そのままガラガラと部屋に連れて行かれる。

手術室から出ると看護師さんが声を掛けてくれた。

ダンナは手術前に着いていたようで、後で病室で会えるらしい。

 

部屋に戻り、皆で1・2・3!と合わせてベッドに移動してもらう。

これもテレビで見るやつ、と思ったら下腹部に痛みが少しあった。

様態を聞かれ、しばらくしてダンナを呼んでくれた。

 

どうもダンナは病理検査に回すものを見せられ、グロッキーなようだった。

それでも気を遣ってだろう、色々話しかけてくれた。

その時はダンナの話をよく聞いていたはずなのにあまり覚えておらず、

今でも覚えているのは、ダンナがその日の夕飯に、

鶏肉といんげんの炒め物を作ると言ってたことだけだった。

 

切ったとこだろう股のとこはジンジンしてたが、

下腹部の痛みは生理痛くらいで寝てれば支障なく、

吐き気も頭痛もなく、思ったより意識も体もはっきりしてる。

 

見ると手の甲に点滴。

尿管はしてなくて、病院の売店で買った紙パンツを履いていた。

入院前、とうとう紙おむつのお世話だよ~と笑っていたけど、

こんなゴワゴワしてフィット感はないもんかと、今後の時のため覚えておこう。

上半身は今まで着ていたパジャマではなく、短めの浴衣みたいなものを着ていた。

足についているマッサージ機が左右交互規則的に動いている。

 

そんなのを見て改めて、手術終わったんだなーと、ぼーっとしていた。

 

看護師さんが血圧測りにきたので、手術時間を聞いたら30分くらいとのこと。

痛みも何もかも今のところすべて先生の想定内という感じだ。

 

看護師さんに預けていたセーフティボックスの鍵を返してもらい、

体を反転させて手を伸ばしスマホとイヤホンを取り出したら、

戻ってきた看護師さんが驚いていた。

 

私が意識もはっきりしていて体調も悪くなさそうで痛みも想定内、

その上セーフティボックスから自らアイテムゲットしているのを見て、

『こりゃ動くな?』 と思ったのか、

手の甲にしている点滴だけは、こうなっているので

(と点滴の管を手に持ち、管の行方を見せてくれ)

これだけは絶対外さないように気を付けてください。

と注意喚起有り。

ベッドを起こしたいときはこれですよ、とリモコンを近くに置いてくれた。

ありがたい。

 

痛みがあれば点滴にお薬いれますので我慢しないで言ってください。

トイレの時は必ず呼んでくださいね!といって戻っていった。

 

それからはゲームをしたり音楽聞いたりのんびりしてた。

いつ水分とれるのかな…と思ってスマホを見たら17時前だった。

予定だと今頃手術していたのだから、早く終わってよかったなと思った。

 

看護師さんが夜勤の方に代わっていて、体調大丈夫ですか?と聞きに来てくれた。

血圧と体温を測りながらトイレ行くか聞かれたけど、まだ大丈夫と答えたが、

看護師さんが帰ろうとしたとき、ちょっと試してみたくなり

「すみません!やっぱりトイレお願いします!!」大声で呼び止める。

待ってー!という気持ちと、排せつに対し急にやる気スイッチが入り音量調整きかずあせる

 

看護師さんに体を支えられ、ここ掴まれますか?足の裏の感覚ありますか?と、

声をかけてくれるが、意外にすくっと立ち上がる。

タイプ・あ~る on Twitter:  "本日は安彦良和さんの誕生日なので、「当初ガンダムはマジンガーZみたいな色になる予定だったが、それを見た安彦さんが”冗談じゃない!”とキレて自分でトリコロールカラーに塗ったら富野監督に褒められた」という心温まるエピソードをご覧  ...

ウニろー大地に立つ‼

 

点滴のガラガラに掴まりながら一歩二歩と歩くと看護師さんに

「大丈夫そうですね、すごいですね。」と褒められる。

褒められるとすぐ調子に乗るタイプなので、転ばないように気を付ける。

歩くと更に紙パンツがゆるゆるで不快だ。

 

トイレに着くと看護師さんも入ってきて、浴衣をまくり上げ

「もうずり落ちてますね・・(アララ)」みたいなこと言って紙パンツを外す。

便器に座るよう言われ腰掛けると、横でパンツにナプキンを付けてくれていた。

(そそそんなことまでかたじけぬ……。てか今おしっこするの 滝汗はてなマークはてなマーク)

どこまで介助されるのか分からなくて悩むも、相手はプロ。

待たせても申し訳ないなと意を決し(いざっ!)と思ったら

「ではここにいますので終わったら呼んでくださいね~」とトイレから出て行った。

好きな子に告られるのかと思ったら違ったメンズおばけあせるみたいになって、

あーた。そりゃそうでしょーよ!とデビ婦人みたいに自分にツッコミ、

いそいそ用を足した。

(期待したわけではない。)

排尿時ピリッと痛みがあって、うーん、この痛みいつまで続くのかな。

と思いながら、看護師さんが用意してくれたパンツを履いた。

 

声を掛けると看護師さんが、「一人でもう履けたんですか⁉」と驚き、

すごいですねとまた褒めてくれ、パジャマを履かせてくれた。

こんなに褒めてくれるとおばちゃんでもやる気になるのだ 照れアップ

これぞプロの技。

 

ベッドに戻り上着もパジャマに着替えたら、紙パンツも、

浴衣みたいな上着もゆるゆるで落ち着かなかったからスッキリした。

スッキリしたら温かいそばが食べたくなった。