ハーブをアルコールに浸けて植物化学成分を抽出したものを「チンキ」と言います。

 

「浸剤」はハーブを水やお湯に浸けて、水溶性の成分を抽出するのに対し

「チンキ」はアルコールに浸けることで水溶性と脂溶性両方の成分を抽出できるのが大きな特徴です。

 

アルコールを使うため、長期保存できたり、体内への吸収を早めたりするなどの利点もあります。ウォッカなどのアルコール飲料で作ることで、内用として利用することもできます。

 

 

代表的な使用例

◉水やハーブティーに加えて飲む(内用チンキ)

◉肌に直接塗布する(外用チンキ)

◉タオルやガーゼに含ませて湿布する(外用チンキ)

 

 

まずは、ドライハーブとウォッカを用意しよう!

市販されている飲用アルコールのうち、ハーブチンキづくりに最もふさわしいのがウォッカです。       

 

ウォッカはアルコール度数の高い蒸留酒(40〜50度)で、ハーブに含まれる水溶性成分と脂溶性成分の両方を溶かし出すことができます。

 

 

ウォッカでなければ、果実酒用のホワイトリカー(焼酎)でもOK。(アルコール度数35度、無色透明)

 

 

 

準備するもの

【材料】

  ・ハーブ(ドライ)  ・ウォッカ(アルコール度数40〜50度)

 

【道具】

  ・ガラス瓶(ジャム瓶のようなもので密閉できるタイプ)

  ・遮光ボトル(保存用。スポイト付きのものが使いやすい。)・スプーン

  ・コーヒードリッパー・コーヒーフィルター(または茶こしもOK)・ラベル

  *ガラス容器、遮光ボトルは煮沸消毒してから使います。

 

作り方

 1ハーブとウォッカを瓶に入れる

   ・まずハーブをガラス瓶の3分の1くらいまでの量を入れます。

   ・次にウォッカをハーブ全体がすっかり浸るまで注ぎ入れます。

    必要な場合はハーブを木製のスプーンで押しながら沈めます。

   ・蓋をしっかり閉めて、瓶を反転させるようにして軽くゆっくり振り混ぜます。

 2 瓶にラベルを貼る 

   ・ハーブ名、日付を書いたラベルを瓶に貼ります。

 3 冷暗所に置いて保管

   ・2週間ほど冷暗所に置いておきます。

    そのあいだ時々(1〜2日に1回ほど)軽く振り混ぜます。

 4 濾す

   ・コーヒードリッパーにフィルターをセットし、出来上がった

    ハーブチンキを濾します。最後の一滴まで丁寧に濾しましょう。

 5保存容器に入れ替える

   ・ラベルを貼った遮光ボトルに移し替えて出来上がり。

    冷暗所で保管し、1年以上保存できます。

 

 

 【ハーブとアルコールの比率について】

   色々なレシピが存在しますが、今回はハーブとアルコールのそれぞれの

   分量をかさ(体積)で測る伝統的なハーブチンキの作り方を紹介しました。

 

   1:10が基本ですが、レシピによっては

   

   *ハーブ:アルコール = 1:2〜5(花、葉、根など部位によって調整)

   *ハーブの重さ(g)の比率を測って作るレシピもあります。

 

   家庭で使用する自家製ハーブチンキであれば、この伝統的で簡単な作り方で

   充分です。

   

   エキナセアチンキやカレンデュラチンキなど、家庭用にメディカルチンキを

   常備しておくととても便利です。これから、このチンキを使ったクラフト作り

   のレシピも順にご紹介していきますのでお楽しみに。