ダイハツ工業は認証試験不正で全車種出荷を止めたのに伴い、ダイハツ九州(大分県中津市)でエンジンを製造する久留米工場(福岡県久留米市)の操業を停止した。25日には滋賀工場(滋賀県竜王町)と京都工場(京都府大山崎町)、ダイハツ九州の各車両組立工場や、滋賀工場のエンジン・変速機工場も止める。26日には本社工場(大阪府池田市)を停止し、国内全工場の操業が完全に止まる。
停止後も従業員は出勤し品質改善活動やマニュアル整備、清掃などに取り組むが、出勤形態は工場ごとに異なる見込み。本社でも出勤し、通常業務や顧客対応などに当たる。
受注した約6万台のうち未完成の1万2000台は納車せず、顧客から申し出があればキャンセルを受け付ける。残る4万8000台の完成車も、納車するか取り消すか顧客の要望に応じる。21日には部品を供給するサプライヤー423社とオンライン会議を開き、発注部品の補償交渉など今後の方針を説明した。全額買い取るかどうかなどを個別に交渉する。
海外生産拠点のマレーシアとインドネシアの工場についても国内同様に出荷を止めた。生産停止の日程は今後詰める。
斉藤鉄夫国土交通相はダイハツ工業の認証不正問題に関して、不正行為が確認された車種について国交省が速やかに確認試験を行い、基準適合性が確認されたものは順次公表、リコール(無料の回収・修理)が必要な車種は同社に届け出を出すよう指導する考えをあらためて示した。同省にもダイハツ車のユーザーから多くの不安の声が寄せられているという。「国民の安全安心の確保を大前提に、道路運送車両法に基づき厳正に対処する」(斉藤国交相)方針で、21、22の両日に最初の立ち入り検査を行った。今後の処分の有無やスケジュールについては「現時点では予断をもって言えない」(同)としている。