『SISU シス 不死身の男』

Sisu

 

2023年 フィンランド [91分]
監督:ヤルマリ・ヘランダー

製作:ペトリ・ジョキランタ

製作総指揮:マイク・グッドリッジ/グレゴリー・ウェノン/アントニオ・サラス

脚本:ヤルマリ・ヘランダー

撮影:チェル・ラゲルルース

美術:オッツォ・リンナラークソ

衣装:アンナ・ビルプネン

編集:ユホ・ビロライネン

音楽:ユリ・セッパ/トゥオマス・バイノーラ

キャスト:ヨルマ・トンミラ/アクセル・ヘニー/ジャック・ドゥーラン/ミモサ・ビッラモ/オンニ・トンミラ 他

[解説]

第2次世界大戦末期のフィンランドを舞台に、不死身の老兵とナチス戦車隊の死闘を描いた痛快バイオレンスアクション。
1944年、ソ連に侵攻されナチスドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。老兵アアタミ・コルピは掘り当てた金塊を隠し持ち、愛犬ウッコとともに凍てつく荒野を旅していた。やがて彼はブルーノ・ヘルドルフ中尉率いるナチスの戦車隊に遭遇し金塊と命を狙われるが、実はアアタミはかつて精鋭部隊の一員として名を馳せた伝説の兵士だった。アアタミは使い古したツルハシ1本と不屈の精神を武器に、次々と敵を血祭りにあげていく。
タイトルの「SISU(シス)」とはフィンランドの言葉で、日本語への正確な翻訳は難しいが、すべての希望が失われたときに現れるという、不屈の精神のような意味合いを持つ。「レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース」のヨルマ・トンミラが主人公アアタミ、「オデッセイ」のアクセル・ヘニーがヘルドルフ中尉を演じた。監督/脚本は「ビッグゲーム 大統領と少年ハンター」のヤルマリ・ヘランダー。(eiga.com)

 

 フィンランド製作のWW-2を舞台にした痛快戦場バトルファンタジーです。ナチスドイツの侵攻によって蹂躙の憂き目に遭ってきたフィンランド人の恨み節といった感じの、スカッとした演出が醍醐味ですね。それだけのことを散々やってきたナチスなんて死んでなんぼという、蹂躙された国の言い分を、老ゴールドディガーに託した、戦場バイオレンスアクションという形です。

 従ってざっと主人公のレジェンドを総合すると、公も手を焼く"ワンマン特殊部隊"で1000人単位のソ連軍を滅ぼし、戦線を離れ気ままに金鉱脈を探しながら、出逢ったナチス残党をツルハシ一本で片づけてゆくという、あり得ないスーパーヒーローとして描かれます。

 というか金が精錬もしないで、ゴロっと塊で掘り当てられるものかは相当引っかかりますが、話が進まなくなっちゃうから黙りましょうw

 登場するメカ類は銃器以外はほぼ雰囲気のダミーで、ミリタリオタクには物足りないかも知れませんね。戦車のシルエットは固定砲塔のヤクートパンサーに似せてあるものの、なんか丸っこさが別物と感じちゃいますw

 設定上登場する敵方ナチスは予算もあってかこの小隊の一行、兵員輸送トラック二台(うち一台は女たちを捕らえてる)とサイドカーと、老ゴールドディガーが生身の単身で戦う、気がつくとちょいとショボ設定には充分でしょう。その代わりといえばアレですが、爺さんの眼力の凄まじさMAXで強引に「すげー」と思わせてくれます(褒めてますww)

 

●登場人物

アアタミ・コルピ♂:老ゴールドディガー

ブルーノ・ヘルドルフ中尉♂:ナチスの戦車小隊長

ヴォルフ♂:部下

アイノ♀:捕虜の女たちのリーダー

シュルツ♂:

 

 地雷を踏んで愛馬もろとも吹っ飛びはしますが丈夫な爺さまはなんとか血まみれで復活してナチスの斥候がバラバラに飛び散ってくれます。

 ちょっと勿体なかったのはアイノ姐さんはじめとする女たちの捕虜群。なにかひとつくらい爺さまとのほっこりするエピソード盛り込めたのかも知れませんが、アイコンタクトだけで”SISU”の伝説が了解事項になってるのは不思議な感じw

 あまり考えなくても楽しめる創りになっていますが、終盤に向けてはまぁマンガの範疇でしょうかww

 わんこが可愛いです。