『イン・マイ・マザーズ・スキン』

In My Mother's Skin

 

2023年 フィリピン/シンガポール/台湾 [97分]

監督:ケネス・ダガタン

製作:ブラッドリー・リュウ/ビアンカ・バルブエナ

製作総指揮:エリック・クー

脚本:ケネス・ダガタン

撮影:ラッセル・モートン

キャスト:ビューティー・ゴンザレス/フェリシティ・カイル・ナプリ/ジェームズ・マビ・エストレラ/ジャスミン・カーティス=スミス/アンジェリ・バヤニ/アーノルド・レイエス/ロニー・ラザロ 他

[あらすじ]

第2次世界大戦中、フィリピンで取り残された少女タラは瀕死の母親を必死で守ろうとする。だが、魅惑的な“人食い妖精”を信じてしまったことにより、事態は複雑化してしまう。

Amazon Prime Videoで2023年10月12日から配信。

 

 ちょっとばかりダークで陰鬱なドロドロホラーですね。大戦後期のフィリピンの設定で、恐らく上流階級のような裕福な家庭が戦争のとばっちりで離散の危機にあると言ったような状況なんでしょう。

 セリフの上で米軍と日本軍が出てきますが、要するに兵役について帰還しない父の留守になんだか高圧的な叔父が幅を効かしているような状況、これは少女タラの不安から来る悪夢のような解釈が一応成り立ちますが、あんまりはっきりしたことは理解できません。

 

●登場人物

リガヤ♀:病気がちな母親

タラ♀:12歳くらいの少女

ダヤニ♂:弟

アモール♀:家政婦

アントニオ♂:叔父?

ロムアルド♂:帰還が遅れている父

蝉の妖精♀:怖い妖怪

 

 米軍と日本軍のどちらかにつくと、何某の恩恵に預かれるという情況下、二択という立場でも子供が判断もできないし、叔父のアントニオは食事を与えることでマウントを取ろうとしています。読み取れる状況はそんなもので、ともかく母親が病気でなんとかしたいと願う幼気な少女タラと腹を減らしている弟ダヤニ

 

 全体うす明るい程度の中で悩ましく奇怪な妖精(蝉)が甘いことを言い、誘うままに食べ物を持ち帰り病床の母に……。

 

 じつはこの蝉の女神が見た目に反して怖すぎる存在だったという結末。中途半端だけどせっかく生還した父は金塊目当ての叔父アントニオに殺されというバッドエンドに全く救いはありませんが、地味な食われシーンと大量の羽虫(蝉)がトラウマになりそうな"不気味"な映画でした。