『7BOX セブン・ボックス

7 cajas

 

2012年 パラグアイ [105分]
監督:フアン・カルロス・マネグリア/タナ・シェムボリ

脚本:ティト・チャモロ/フアン・カルロス・マネグリア/タナ・シェムボリ

音楽:フラン・ビリャルバ

キャスト:セルソ・フランコ/ビクトル・ソサ/ラリ・ゴンザレス/ニコ・ガルシア 他

[解説]

歴代の映画製作本数が20本にも満たないという映画後進国のパラグアイで製作された長編映画。同国内で大ヒットを記録し、サン・セバスチャン映画祭など海外の映画祭でも多数受賞を果たしたアクションスリラー。パラグアイのスラム街を舞台に、謎に包まれた7つの箱を運ぶ仕事を引き受けた少年ビクトルが、箱を狙うギャングやスリ、警察にも追われるはめになり、命懸けの逃走劇を繰り広げる。日本ではSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013の長編コンペティション部門で上映された。(eiga.com)

 

 レアなパラグアイ(どこだっけw)のクライムサスペンスです。南米のど真ん中っぽいです。

 したがって彼らの言語はスペイン語で、時代は2004年で、ガラケーにカメラがついた頃なのと、映画が娯楽の王様だった感じで、主人公ビクトルはTVで放映されているちょっと前の映画『ダーティハリー』のセリフを暗唱したり、動画の撮れる携帯に興味を持ちます。映像撮ってみたいって感じの少年。

 なので物語の途中、商店街のTVに街頭カメラのデモで自分が映るとしばし恍惚とします。

 つまりはキャラの掘り下げが上手いので、登場人物の隅々まできちんと設定があるのと、役割にメリハリがあって単純に"悪者"とか大きな括りで雑には扱っていない感じです。その頃のパラグアイの活気ある貧困みたいな手押車のチェイスwなんか、結構ドキドキします。

 

●登場人物

ビクトル♂:市場の押車屋

タマラ♀:ビクトルの姉

レティ♀:タマラの同僚/妊産婦

グス♂:肉屋のやらかし男

ホルヘ♂:狂言事件の首謀者

ダリル♂:肉屋/狂言事件のグル

ネルソン♂:狂言事件のグル

ルイス♂:狂言事件のグル

リズ♀:ビクトルのお邪魔虫

ジム♂:韓国人の食堂御曹司

タノ♂:ビクトルの旧知/ひったくり

 

 カット割やカメラアングルも思いがけず刺激的で、スラムのテントやトタン張りの雑多なマーケットの狭い路地を全力で駆け抜ける手押車!なんか面白いしビクトルの必至さも迫ってきます。

 事件は深刻で陰惨だけど、肉屋のグスの間抜けな勘違いで金蔓の人質を殺しちゃったりします。しかも解体して7つの木箱に詰めたりして。おいおいw

 

 てな訳で擦った揉んだで何とか事件解決して、付き纏うお邪魔虫のリズ(キュート)とビクトルの関係や姉のタマラに惚れている韓国人青年ジムの、スペイン語不自由の振りで韓国語でコクる、およそ韓国人的ではないw恋模様も爽やか(かな?)