『パリの調香師 しあわせの香りを探して

Les parfums

 

2019年 フランス [101分]

監督:グレゴリー・マーニュ

製作:フレデリック・ジューブ

脚本グレゴリー・マーニュ

撮影:トマ・ラメ

美術:ジェレミー・デュシエ

衣装:アリス・カンブルナ

編集:ベアトリス・エルミニ/グウェン・マラウラン

音楽:ガエタン・ルーセル

キャスト:エマニュエル・ドゥボス/グレゴリー・モンテル/セルジ・ロペス/ギュスタブ・ケルベン/ゼリー・リクソン/ポリーヌ・ムーレン 他

[解説]

挫折した天才調香師が人生崖っぷちな運転手との交流を通して再生していく姿を、ディオールの撮影協力&エルメスの専属調香師監修のもと描いたヒューマンドラマ。世界中のトップメゾンの香水を手がけてきた天才調香師アンヌ。しかし4年前、仕事へのプレッシャーと忙しさから嗅覚障害になり、地位も名声も失ってしまう。嗅覚が戻った現在は、なじみのエージェントから紹介される地味な仕事だけを引き受け、パリの高級アパルトマンでひっそりと暮らしていた。そんな彼女に運転手として雇われたのは、離婚して娘の親権を奪われそうな上に仕事も失いかけていたギヨーム。彼はわがままなアンヌに振り回されながらも正面から向き合い、彼女の心を少しずつ開いていく。ギヨームと一緒に仕事をこなすうちに、新しい香水を作りたいと再起への思いを強くするアンヌだったが……。アンヌ役に「リード・マイ・リップス」のエマニュエル・ドゥボス。(eiga.com)

 人見知りで社交性皆無なため慇懃無礼に振る舞ってしまうこの嗅覚BBAと、別居中の妻と娘の親権を保つためにどうしても失業したくない、崖っぷちリムジンドライバーの、意外な香りのリミックス。これってヒューマンドラマって感じでいいのかなw

 

 かつてはクリスチャンディオールの香水「ジャドール」をヒットさせた腕利きの調香師にしてリムジン会社の上得意アンヌ・ヴァルベルク(エマニュエル・ドゥボス)の担当をねじ込まれたギヨーム・ファーヴル(グレゴリー・モンテル​​​​​​​)は、あまりに我が儘に無理を言うこのオバさんと付き合う(付き合わされる)うち、扱い方を見つけます。それは、ウェイトレスの髪の色を問い、貴女は他人を見ないと指摘したことで解ります。感覚を活かしたストレスだらけの地道な仕事だから身に付けてきた、世間との距離の置き方で、その事が今のビジネスパートナーに利用され、やりたい仕事に戻れない羽目になっています。

 

●登場人物

アンヌ・ヴァルベルグ♀:超一流の調香師

ギヨーム・ファーヴル♂:別居中のリムジン運転手

Dr.バリェステル♂:嗅覚障害治療の権威

アルセーヌ♂:リムジン会社CEO

レア・ファーヴル♀:10歳の娘

ジャンヌ♀:アンヌのビジネスパートナー/社交家

 

 こんな嫌な思いをしてまで従いたくないと、反発するのはきっとフランス人だからなのでしょうか?σ(^^;のタクドラ経験だと、察したことはきっちり遣るのは勿論でしたが、ムカつきながらも過剰サービスを(料金頂くまではw)ついついやっていました。

 

 映画に戻りますが、私たちは普段何気に身体の機能の恩恵に預かっていて、滅多に意識する事はありません。ある日身体が言うことを聞かなくなって急にある機能が使えなくなって初めて意識するんですね。急性味覚障害に陥る調理師だとか、この映画の主役のような調香師なんかの身に起きる不幸なんか、怖いですが起こり得ます。

 

 はじめ、解説を斜め読みしたせいで違うストーリーを想像しましたが、それとは違ってナイスな物語に収斂してくれて、ヨカッタねとか感じましたw。