『アムー 負けない心』
Ammu
2022年 インド [136分]
監督:チャルケシュ・セカル
クリエイティブP:カールティック・サブラージ
製作:カル・ラマン/カールテケーエン・サンタナム/S.ソマセガール/カリアナ・サブラマニアン/アルジュン・ウクラマカリ
音楽:バーラト・シャンカール
撮影:アプールバ・シャリグラム
編集:ラダ・シュリダール
キャスティング:ヴァムシ・ナーラニ
プロダクションデザイン:アマラン
衣装デザイン:ディネシュ・マノハラン/ステフィー・ザヴィワー
キャスト:マードゥリー・ディークシト/アイシュワリヤー・レクシュミ/ナヴィーン・チャンドラ/ボビー・シムハ/サティア・クリシュナン/アンジャリ・アミール/パーヴァティ・マーラ/ラージャー・ラヴィンドラ/ダーバ・アパージ/プラモディーニ・パミー 他
[あらまし]
カールティック・サブラージをプロデューサーに迎え、逆境力と勇気を描く「アムー ~負けない心~」。おとぎ話のように始まった幸せな結婚生活は、夫で警察官のラビがアムーに暴力をふるったことをきっかけに壊れてしまう。一度きりの出来事だと信じ込むアムーだったがすぐに暴力は日常化し、彼から逃げられない彼女は魂と生気を失ってしまう。そして限界が訪れたアムーは、自由を求めて意外な人物と手を組むのだった。Amazon Prime Videoで2022年10月19日から配信。
真贋はともかくインド🇮🇳では 既婚女性の3人に1人は本作に近いDVを受けていると聞いたことがあります。インドは治安もそれほど良くもないし犯罪も多数発生するらしいですが、扱うDVという深刻さをやんわり受け流すため?に、解決方法は意図的にコメディタッチにシフトしています。
●登場人物
・アムー♀:新婚妻
・ラヴィ♂:警部の夫
・プラブー♂:監察処分中の囚人
・サティア♀:巡査
・イクバール♂:警部の部下
・カルパナ♀:アムーの母
・ディリーブ♂:アムーの父
・ジータ♀:プラブーの妹
むろん、妻や自分より弱い者に暴力を与えてマウントを取るなんてことが許される男尊女卑世界は少数であることを信じたいですが、ヒロインのアムーが嫁いだラヴィは野心的な警察官だったために対外的な見栄もあるのだろうけれど、彼女の描いた夢のような甘っとろい時間は問い質さなければ愛してるなんて言わないばかりか、何か失敗すると鬼の首を取ったように容赦なく責めるんですね。期待しすぎだろw
「カッとなってつい」手が出てしまうとかは、恐らく発達障害なのかも知れないけれど、痛いのはアムーのホッペの方。昼飯を食べさせてくれないから罵る等など、マウントを取って上下関係を押し付ける。言葉の弾みで家出したものの駅の待合に屯するホームレスに諭されたりします。
成り行きでラヴィに追い詰められ仮出所を取消されてしまった監察処分中の囚人プラブーの「妹の結婚式をひと目見れればいい」という案外マトモな願いのために力を貸すうちに、DV夫をやりこめてお仕置きするアイディアを実行し、DV事実を夫の署を統括する警視長の前で認めさせることになって離婚、ハーフビターエンドとなるんですねw
インド社会の歪みと愛情関係の危うさ曖昧さを感じる映画でした。主演女優アイシュワリヤー・レクシュミの心情の丁寧な演技とエキセントリックで危ういDV夫ナヴィーン・チャンドラの芝居は一級品でした。