『DAGON ダゴン

DAGON

 

2001年 スペイン [95分]

監督:スチュアート・ゴードン

製作:ブライアン・ユズナ/フリオ・フェルナンデス

原作:H・P・ラヴクラフト

脚本:デニス・パオリ

撮影:カルロス・スアレス

特殊メイク:デヴィッド・マルティ

編集:ジャウマ・ビラルタ

音楽:カルレス・カセス

キャスト:フランシスコ・"パコ"・ラバル/エズラ・ゴッデン/ラクエル・メロノ/マカレナ・ゴメス/ブレンダン・プライス/ビルギット・ボーファラル/フェラン・ラオス 他

 

[あらすじ]

IT長者のポールは恋人のバーバラ、そして友人夫妻とスペインへボートで優雅な休暇旅行に来ていた。ところが嵐に巻き込まれ船が座礁、救助を求めて沿岸の漁村に辿り着くが、そこは海の邪神を崇める住人と、得体の知れない生き物たちが蠢く恐怖の村だった。20世紀を代表するホラー作家H・P・ラヴクラフトによる原作「インスマウスの影」を『ZOMBIO/死霊のしたたり』のスチュアート・ゴードンがSFXを駆使し描いたモンスター・ホラー!(C)2001 Castelao Productions, S.A. All Rights Reserved.

 

 もはや"古典ホラー"と呼べるんじゃないかと思える、ラヴクラフトのクトゥルフ神話を描いた映画ですね。それだけに映像演出に、幾分の古臭さと懐かしさが漂っているようですね。時代のスタイルでしょうかね。

 多すぎる雨wと光りすぎる稲妻がベタで、意外にスペイン気質の象徴のように見えますが、ダゴンに乗っ取られた漁村の精気の無い半水棲人たちの不気味さやらが、一丸となった"勢い"になっている感じですかね。

 

●登場人物

ポール♂:若い IT長者

バーバラ♀:その恋人

ハワード♂:ヨットの持ち主/犠牲者に

ベッキー♀:その妻

エゼキエル♂:村人の最後の生き残り

ウクア♀:ダゴン族の姫

 

 主人公のポールは現代社会にいくらでも居る線の細い理系?キャラなのでラストまで付き合うと、その訳がわかって来ますね。捲き込まれ型のホラーですので、キャラばれはラストまで取っておけば効果的ですよね。

 ごくフツーと見せて、冒頭の悪夢のイメージと、些か焦れったい進行は、仕組まれて居たことと、ヒロインのバーバラの命運の意外性が、悲運ではない予定調和として機能します。

 

 裏切られて歓ぶのは変わり者なのかも知れませんが、ポールにとってのハピネスは、ウクアと水棲の路を選ぶことだったのでした。