『燃ゆる女の肖像』

Portrait de la jeune fille en feu

 

2019年 フランス [122分]
監督:セリーヌ・シアマ

製作:ベネディクト・クーブルール

脚本:セリーヌ・シアマ

撮影:クレール・マトン

美術:トマ・グレーゾ

衣装:ドロテ・ギロー

編集:ジュリアン・ラシュレー

音楽:ジャン=バティスト・デ・ラウビエ

キャスト:ノエミ・メルラン/アデル・エネル/ルアナ・バイラミ/バレリア・ゴリノ 他

 

[解説]

18世紀フランスを舞台に、望まぬ結婚を控える貴族の娘と彼女の肖像を描く女性画家の鮮烈な恋を描き、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞を受賞したラブストーリー。画家のマリアンヌはブルターニュの貴婦人から娘エロイーズの見合いのための肖像画を依頼され、孤島に建つ屋敷を訪れる。エロイーズは結婚を嫌がっているため、マリアンヌは正体を隠して彼女に近づき密かに肖像画を完成させるが、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを批判されてしまう。描き直すと決めたマリアンヌに、エロイーズは意外にもモデルになると申し出る。キャンパスをはさんで見つめ合い、美しい島をともに散策し、音楽や文学について語り合ううちに、激しい恋に落ちていく2人だったが……。「水の中のつぼみ」のセリーヌ・シアマが監督/脚本を手がけ、エロイーズを「午後8時の訪問者」のアデル・エネル、マリアンヌを「不実な女と官能詩人」のノエミ・メルランが演じた。(eiga.com)

 

 なんちゅうかアカデミックでハイソ百合愛ものです。出演女優がみんな美しくて恐れ入っちゃいますね。18世紀の女性の位置というか社会的な立ち位置を想像するには素晴らしいと言っていいのかな、その辺は各映画賞さんの評価に流されます。

 

●登場人物

エロイーズ♀:伯爵夫人の娘

マリアンヌ♀:女性画家

ソフィー♀:使用人

伯爵夫人♀:

 

 マリアンヌの独立心と、気丈さは小舟で伯爵夫人家の別荘のある海岸を目指すときに垣間見られます。布地たっぷりのドレスで逆巻く荒波に飛び込んだのは、自前のキャンバス(この時代は板のようです)を救うためでした。鬼気迫る眼差しがすごいです。

 

 絵のモデルになるエロイーズは伯爵の次女で、姉は許婚者を(生活自体を)恐れ入水自殺、そのことのショックから立ち直れず自閉気味。地味に仕える使用人のソフィーはヒミツの懐妊。18世紀ってw

 

 村の女たちが夜闇に集って、焚火の灯りに歌い出すシーンは突然の圧巻です、その時に主題の『燃ゆる女の肖像』の象徴的で幻想的なワンカットが再現されます。美しいシーンです。

 

 マリアンヌエロイーズがさまざまな蟠りを乗り越え愛し合い、肖像画が完成すると別れになり、ああ人生ってままならないけれど愛があるから生きていられる、そんな映画です。