『インパクト・クラッシュ』

The Ghazi Attack

 

2017年 インド [124分]
監督:サンカルプ・レディ

脚本:ニランジャン・レディ/サンカルプ・レディ/ニラジャン・レディ

原案:アサド・アラム/ガンガラジュ・ガンナン

製作:カラン・ジョーハル/アンヴェシュ・レディ/ヴェンカマトラマナ・レディ/プラサード・V・ボルトリ/N・M・バシャ/ジャガン・モハン・ヴァンチャ

音楽:K

撮影:R・マディ

編集:A・スリーカル・プラサード

キャスト:ラーナー・ダッグバーティ/ケイ・ケイ・メノン/アチュール・クカーニー/オム・プリ 他

 

[解説]

「バーフバリ」シリーズで暴君バラーラデーヴァを演じたラーナー・ダッグバーティが主演を務めたインド発の潜水艦アクション。第3次印パ戦争下の1971年。ベンガル湾に侵入したパキスタン潜水艦を駆逐するため、インドの潜水艦S21に出撃命令が下された。海軍士官ヴァルマーは冷酷な艦長と対立しながらも、荒れた海での過酷な哨戒、敵駆逐艦との激しい攻防など、戦争の現実を目の当たりにしていく。共演に「マダム・マロリーと魔法のスパイス」のオム・プリ。

 

 ひと口に印パと括られてしまうインド/パキスタンの対立は英国の植民地政策が終わった戦後に始まります。その辺りは複雑なものなんですが、英国の総督府側から描かれたこの映画が解りやすいでしょう。参考まで。

 さて史実に則った(らしい)潜水艦映画ですが、もちろん印パ戦争の入り口の頃の歴史期的な検証としてではなく、「こうして戦争に突入した」を描く、もろプロパガンダ映画ですね。だからいまだに沈没原因が印/パ双方で食い違うという、只今現在のウクライナ侵攻の証言に似ているので話半分ですが、ドラマとしては誠に愛国心をかき立てる胸熱演出になっています。

 

 元々、潜水艦映画は、ヴォルフガング・ペーターゼン監督の名作『U-ボート』にあるような、緊迫感と乗員の息の詰まる閉塞感があるので、案外外れません。安定した近作や、まぁまぁなのが数多あります。(但しこんなのもありましたがw)

 

●登場人物

インド海軍

アルジュン・ヴァルマー少佐♂:シン艦長の目付役

ランヴィジャイ・シン艦長♂:短気/愛国心/自律的

サントーシュ・デーヴラージ副長♂:妻が当日出産

アナンヤ医師♀:撃沈された商船の船医

・ V・S・ナンダ大将♂:

 K・T・ラマン中将♂:作戦司令官

パキスタン海軍

ラザク・ムハンマド・カーン♂:パキスタン艦ガーズィー艦長

ナビゲーション・オフィサー♂

 

 しかし両軍ともWW-2以降70年代の、要するに払い下げ艦なので、今現在のミリオタから見ると心許ない旧式ですが、まぁボロっちい潜水艦を水圧でキシキシ言わせて戦ったんだろうなと思います。ソナーだけの状況判断と対応、その悲壮感は計り知れません。ただしこの映画はプロパガンダ傾向が強いので、商船(民間船)の船医を助けたというヴァルマー少佐の活躍は超人的過ぎるので、ああ演出かなと(イケメンですもんね)。ただ、この映画で船医のアナンヤとの恋バナは、いかにもになるのでありません。

 

 敵:パキスタン側のモデルになった潜水艦もアメリカの払い下げのディアブロで、ガーズィー (PNS Ghazi)という艦名で謎の沈没を遂げていて、真相は"水面下"なんですよね。こういうモデルがあると脚本家のペンが進みますw

 カーン艦長も強面で、じつに存在感がありました。

 漏水や圧力バルブの損傷による海水の噴出。狭い艦内と乗組員の悲壮感。

 やはり潜水艦ものは緊迫感がキモですね。