『恐怖ノ白魔人』

Aux yeux des vivants

 

2014年 フランス [90分]
監督:ジュリアン・モーリー/アレクサンドル・バスティロ

脚本:ジュリアン・モーリー/アレクサンドル・バスティロ

撮影:アントワーヌ・サニエ

音楽:ラファエル・ジェスクア

キャスト:アンヌマリビン/セオフェルナンデス/フランシスルノー 他

 

[解説]

「屋敷女」「リヴィッド」のジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督が、女性の拉致現場に遭遇してしまった少年たちが体験する恐怖の一夜を描いたサスペンスホラー。退屈な学校を抜け出したダン、トム、ビクターの親友3人組は、廃墟となった映画ロケスタジオに忍び込む。3人はそこで、謎の男が女性を拉致しているところを目撃してしまう。少年たちは男から口外しないよう約束させられて帰宅するが、何者かが彼らの後を尾行していた。そしてその晩、彼らの身に想像を絶する恐怖が降りかかる。出演は「そして友よ、静かに死ね」のフランシス・ルノー。「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2015」で劇場公開。(eiga.com)

 

 えーと、フランス発のエスプリホラー?ですかね。裏テーマはやはり微妙にナチスの影が差すと想像させる化学兵器による遺伝子異常の家族の命運です。+スタンド・バイ・ミーを連想させるキャラの少年たちが味わった「最悪」な恐怖体験!!ですから、後味なんてよくありませんが、その少年たちの災難の大元は、複雑な怨恨を持つ一人の男イサック・フォシュールの"誰にも知られず新しい家族を持ち、静かに暮らしたい"という、言ってみれば素朴な願いとのギャップが却って恐ろしさを感じさせます。

 

●登場人物

イサック・フォシュール♂:家族の暮らしに執着

ジャンヌ・フォシュール♀:錯乱で胎児残して自殺

クラランス♂:遺伝子異常で早成

ヴィクトル・カンベール♂:14歳/義父がアル中

ジュリア♀:母

ナタン♂:義父/雑貨店経営

ルイーズ♀:妹

クラリス♀:新生児の末っ子

トマ・アゼル♂:14歳喘息持ち/父収監歴

ダニエル・シレー♂:14歳/両親は不仲で近々離婚

ミラ♀:シレー家シッター

エルマン老人♂:少年たちの仮想敵農場主

 

 何れも家庭に問題を抱えている問題児ヴィクトル・カンベール/トマ・アゼル/ダニエル・シレーがこのおぞましい事件と遭遇するのが、古びた映画撮影所の廃墟というのがなかなか良いですね。その名も"ブラックウッズ"ありゃ英語だしw

 少年たちも予め家庭環境で問題児認定ですが、そこから抜け出し更生したりするというお話でなく、悪ガキのまま農家に放火とかなので、天罰的な災難には同情の余地もあまりない感じですね。だからじつは主人公は白魔人ことクラランスで、実質おっさん型六歳児という恐ろしい奴です。

 

 この曲者監督コンビは残虐描写では有名らしいですが、本作では割合見せない工夫があるので、そこまで物凄いことには見えませんが、刺す/切る/踏みつける/殴る/忍び寄るなどなど、やることはやってます。ただし、見せない工夫が効いているのか死んじゃったかなの人が、案外まだ無事というのはちょっと拍子抜けします。