『グランド・ブダペスト・ホテル』

The Grand Budapest Hotel

 

2014年 アメリカ [100分]
監督:ウェス・アンダーソン

製作:ウェス・アンダーソン/スコット・ルーディン/スティーブン・レイルズ/ジェレミー・ドーソン

製作総指揮:モリー・クーパー/チャーリー・ウォーケン/クリストフ・フィッサー/ヘニング・モルフェンター

原案:ウェス・アンダーソン/ヒューゴ・ギネス

脚本:ウェス・アンダーソン

撮影:ロバート・イェーマン

美術:アダム・ストックハウゼン

衣装:ミレーナ・カノネロ

編集:バーニー・ピリング

音楽:アレクサンドル・デプラ

音楽監修:ランドール・ポスター

キャスト:レイフ・ファインズ/F・マーレイ・エイブラハム/マチュー・アマルリック/エイドリアン・ブロディ/ウィレム・デフォー/ジェフ・ゴールドブラム/ハーベイ・カイテル/ジュード・ロウ/ビル・マーレイ/エドワード・ノートン/シアーシャ・ローナン/ジェイソン・シュワルツマン/レア・セドゥー/ティルダ・スウィントン/トム・ウィルキンソン/オーウェン・ウィルソン/トニー・レボロリ/ルーカス・ヘッジズ 他

 

[解説]

「ムーンライズ・キングダム」「ダージリン急行」のウェス・アンダーソン監督が、高級ホテルのコンシェルジュとベルボーイが繰り広げる冒険を、名優レイフ・ファインズを筆頭にオールスターキャストで描いた作品。第87回アカデミー賞では作品賞ほか同年最多タイの9部門でノミネートされ、美術、衣装デザイン、メイクアップ&ヘアスタイリング、作曲の4部門を制した。ヨーロッパ随一の高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」を取り仕切り、伝説のコンシェルジュと呼ばれるグスタヴ・Hは、究極のおもてなしを信条とし、宿泊客のマダムたちの夜のお相手もこなしていた。ホテルには彼を目当てに多くの客が訪れるが、ある夜、長年懇意にしていたマダムDが何者かに殺害されてしまう。マダムDの遺産をめぐる騒動に巻き込まれたグスタヴ・Hは、ホテルの威信を守るため、信頼するベルボーイのゼロ・ムスタファを伴い、ヨーロッパを駆けめぐる。(eiga.com)

 

 フルバージョンのポスタービジュアルを見ただけで、この映画のワクワク感は伝わってくるでしょう。そうです、シュルレアリズム絵画の不思議さ全開の"冒険活劇"に近い奔放なストーリー展開、劇中、頬にメキシコ形の痣があるアガサ(シアーシャ・ローナン)が菓子店で作るマカロンのようなピンクが、テーマカラーっていう感じです。

 そして何と言っても、この豪華なキャスティングは、エキセントリックなストーリーに決して負けていません。カメラワークも凝り凝りで呆気に取られる縦パンの切り返しがグッサリ突き刺さっています。青年ゼロが髭を描くのもツボります。

 

●登場人物

グスタヴ・H♂:ホテル支配人

ゼロ・ムスタファ♂:ロビーボーイ

セルジュ・X♂:執事

ドミトリー♂:マダムDの息子

ジョプリング♂:尖った雇われ探偵

コヴァックス♂:マダムDの管財人

ルードヴィヒ♂:獄中で知り合う脱獄者

作家♂:語り部

ムッシュ・アイヴァン♂:コンシェルジュ協会

ヘンケルス♂:ルッツ軍警察大尉

アガサ♀:菓子店メンドルのパティシェール

ムッシュ・ジャン♂:留守番コンシェルジュ

クロチルド♀:ハウスメイド

マダムD♀:急死する大富豪

ムッシュ・チャック♂:軍人コンシェルジュ

 

 そしてドタバタに込められた戦争やら政変やら秘密結社や陰謀の、思い掛けず深い闇に気がつくと震撼とするっていうわけです。

 一個だけ、不満ではないけれど、劇場でもDVDでも意図的に音響レベルがひと目盛りくらい大きくて、少し五月蝿く感じてしまうのは、自分には合わなくて気になりました(個人の感想です)。