『ANИA アナ』

ANИA

 

2019年 フランス/アメリカ [119分]
監督:リュック・ベッソン

製作:マーク・シュミューガー/リュック・ベッソン

脚本:リュック・ベッソン

撮影:ティエリー・アルボガスト

美術:ユーグ・ティサンディエ

衣装:オリビエ・ベリオ

編集:ジュリアン・レイ

音楽:エリック・セラ

キャスト:サッシャ・ルス/ルーク・エヴァンス/キリアン・マーフィ/ヘレン・ミレン/アレクサンドル・ペトロフ 他

 

[解説]

「ニキータ」「レオン」「LUCY ルーシー」など、戦うヒロインを主人公にした作品を数多く手がけてきたリュック・ベッソン監督がロシア出身のスーパーモデル、サッシャ・ルスを主演に迎えてメガホンを取ったアクション。1990年、ソ連の諜報機関KGBによって造り上げられた最強の殺し屋アナ。ファッションモデルやコールガールなどさまざまな顔を持つ彼女の最大の使命は、国家にとって危険な人物を消し去ることだった。アナは明晰な頭脳と身体能力を駆使し、国家間の争いをも左右する一流の暗殺者へと成長していく。そんな中、アメリカCIAの巧妙なワナにはめられ危機に陥ったアナは、さらに覚醒。KGBとCIAがともに脅威する究極の存在へと変貌していく。アナ役のルスのほか、オスカー女優のヘレン・ミレン、「ワイルド・スピード」シリーズのルーク・エヴァンス、「ダークナイト」のキリアン・マーフィらが脇を固める。(eiga.com)

 

 ベッソン節全開の楽しめるスパイムービーです。映画のヒロインの立ち位置を示すためか、雰囲気だけでポスターやタイトルロゴに[И]を使ってますがキリル文字の[И](イー)は、アルファベットだと[ I ](アイ)にあたり、[N]に相当する文字は[Н](エヌ)と書くんだそうです。まぁそこら辺はロシアンな雰囲気を狙った配給元の小技ですから、どうでもいいことですが(笑)

 

●登場人物

アナ・ポリアトワ♀:美人モデルにしてスパイ

アレクセイ・チェンコフ♂:KGBエージェント

レナード・ミラー♂:CIAエージェント

オルガ♀:KGB女ボス

ワシリエフ♂:KGB長官

ペーチャ♂:アマチュア時代のヒモ

モード♀:モデル百合

オレグ・フィレンコワ♂:ターゲット/隠れ武器商人

 

 どうも同じようなスーパーガールを構築して、活躍させるのがお好きなベッソン監督ですね。意外性も繰り返されると正直なところ、なんか飽きてきます(笑)。ヒロイン:アナ・ポリアトフ(サッシャ・ルス)も、整った顔立ちでモデル出身とのことですが、若干線が細い感じで、クールではあっても、ちょっと受け口だし(笑)。ようするにσ(^^;の好みとはちと違ってるんでアハハです。むしろ百合モデルのモードが艶やかですね。

 

 あ、映画の本筋だった(笑)。

 

 節目節目で振り返る、自己検証型ネタバラシのスタイルが、すべてを納得させるという、サービスと言っていいのかどうかですが、これは解りやすくて"やられちゃったな〜"を受け入れるのが良いかな。ヒロインのアナの現在と過去を往復しながら、スパイのお仕事のKGB↔️CIAのそれぞれの楽屋裏が明かされて、えげつないスパイ合戦が展開するということですね。あとから、あれもこれも仕込みかよと思わされます。

 

 アクションについてはベッソン監督お手の物のカーアクションも最初の方に出てきますし、仮採用お試し時の空弾倉トラップ(オルガ(ヘレン・ミレン)が仕掛けた)付きラウンジ乱闘のテンポの速さと、なかなかの身のこなしもみどころでしょう。

 

 ただ、そのスキルが"三年後"のテロップとともに完成してしまっていて、いきなり実戦を見せられちゃうわけですから、ここらへんは急ぎすぎてる感が、厳しい方には嫌われるんじゃないかと思います。「射撃の腕は確かだ」と言われても「どう確かなんだ」がヴィジュアルで伝わってこないです。

 

 まぁまぁ、さまざま突っ込みたい部分もありますが、テンポと小気味良さとトリックに加えてヘレン・ミレン/ルーク・エヴァンス/キリアン・マーフィらの演技がアナを東西両側から支えてるような作品です。そこそこ楽しめるでしょう。