『今さら言えない小さな秘密』
Raoul Taburin
2018年 フランス [90分]
監督:ピエール・ゴドー
製作:ピエール・ゴドー/ナタリー・ガスタルド・ゴドー
原作:ジャン=ジャック・サンペ
脚本:ジャン=ジャック・サンペ/ピエール・ゴドー/ギョーム・ローラン
撮影:クレール・マトン
美術:ヤン・アルロー
編集:エルベ・ド・リューズ
音楽:ハビエル・ナバレテ
キャスト:ブノワ・ポールブールド/エドゥアール・ベア/スザンヌ・クレマン/グレゴリー・ガドゥボワ/ヴァンサン・ドゥサニア 他
[解説]
フランスの国民的作家ジャン=ジャック・サンペの同名小説を、「アメリ」のギョーム・ローランによる共同脚本で映画化。プロバンスの村で一番の自転車修理工ラウルは、愛する妻子に囲まれて順風満帆な毎日を送っているかに見えたが、実は子どもの頃から誰にも言えない秘密を抱えていた。なんと彼は、自転車に乗ることができないのだ。自転車を愛し続けて生業にまでした彼にとって、それは悲しく致命的なことで、時が経つほど誰にも打ち明けることができなくなっていた。そんなある日、村人を撮影する写真家が、ラウルが自転車に乗って坂道を下る瞬間を撮影しようと言い出す。どうにか阻止しようと悪戦苦闘するラウルだったが……。主演は「神様メール」のブノワ・ポールブールド。共演に「わたしはロランス」のスザンヌ・クレマン、「モリエール 恋こそ喜劇」のエドゥアール・ベア。(eiga.com)
なんちゅうか、ひと言で言うと見栄っぱりのフランス人気質のあれこれを茶化した"飛べない鳥ものがたり"でしょうかね。コメディ風味なのはたぶん"フランス人あるある"という要素が強いのかなと思いますが、世界中の民族の普遍とはまた違うんだろうと思います。舞台はプロバンス。先日の郵便配達夫の舞台のドローム県とはそんなに離れていない南部の海沿いなので、風景も似通って見えます。
自転車を買ってもらったのは、いつの頃だったか覚えてますか?普通の人は補助輪の片方を外せば、そこから数日くらいで行けるもんですが、主人公エラウルの場合、大人しすぎる性格が災いしたと見え、その場をごまかすことを覚えてしまったようです。映画はラウルの少年時代の回想とモノローグの台詞で多く語って行きますが、時系列でそんなに風景も変わらない、結構ありそうな石畳の素朴で美しい村の素朴で自分に正直すぎた少年のお話です。
父親は郵便配達夫で、ラウルもそれを継ぐつもりで補助輪付き自転車で一緒に行動していましたが、どうしても自転車で自立走行するのが怖くて、恐怖心を克服できないまま、盛んに行われているサイクルロードレースを模した、子供達のコンペでスタートすることさえできないまま「チェンが外れたから、自分で直す」とその場を繕ったため、実際に自転車の修理が身についていた頃、突如雷に打たれた父親が他界。まさに青天の霹靂っていうやつです。そのトラウマで自転車に乗った郵便配達を継ぐのは、ますます困難になってしまい、瓢箪から駒で自転車屋の弟子に収まり、村の自転車の安全を守ります。
でも、乗れない、乗るのが怖い、バランスが取れずにすぐ横倒し(笑)。漕げば良いだけなのに。
村人の顔をテーマとする写真家の登場で少しずつ変化はありますが、鏡のような関係の写真家も自己評価と実力の間で喘ぐのでした。
・・・と言う感じの内省的作品です。フランス人のプライドってものをちょっぴり想像しました。
