『スクワッド303 ナチス撃墜大作戦』
Dywizjon 303
2018年 ポーランド/イギリス [100分]
監督:デニス・デリック
製作:ヤツェク・サモイロビッツ
脚本:ヤツェク・サモイロビッツ/クリス・バルザ/トマス・ケプスキー
撮影:バルデマール・シュミット
音楽:ルカツ・ピエプツィク
キャスト:マチェイ・ザコシェルニー/アントニー・クロリコフスキ/アンドリュー・ウッドオール 他
[解説]
第2次世界大戦屈指の空中戦「バトル・オブ・ブリテン」を描くスカイアクション。第2次大戦下、劣勢となったイギリス空軍は、亡命ポーランド人パイロットを集めて第303戦闘機中隊を編成する。訓練もままならないまま、彼らは戦いに身を投じていく。(KINENOTE)
全く同じポーランド人の303戦闘機中隊のお話は、2018年に同じくポーランド/イギリス合作で、二本の映画が同時期に製作されていたらしいのが判りました。
今年の始め頃『バトル・オブ・ブリテン 史上最大の航空作戦』という別作を観ていましたので、結果的に比較ということになります。なので、さらっと述べますと人間ドラマ的にはバトル~の方がより深いかなという感じ、100分もののTV向けの競合なのかも知れません。
優劣ではなく、史実の題材を映像化するときの視点の差であるかも知れません。こちらの映画は、既存のアーカイブ映像の利用が少し多めで、カット繋がりでフィルムキズやフィルムに書かれたマーカーの文字とかが一瞬過りますし、名作『空軍大戦略』に"出演"していた、旧スペイン空軍のメッサーシュミットBf109のカットを使い回した部分もあります(因縁のエンジン換装で機首のシルエットが、まるで違う)←こんなの軍事オタクにしか判りませんが、判っちゃたんだなー(笑)。実写アーカイブ映像多用と書きましたが、その面ではドルニエ爆撃機やハインケルの双発戦闘機などの映像がマニアには受けるでしょう。"置きもの"のドイツ機では、波板が特徴のユンカース三発機やBf109G等にカメラが近づきます。
同じ題材なので似たシーンもありました。ポーランドの飛行士が慣れない引き込み脚のハリケーンで着陸アクシデントという件は、こちらでは省略(どちらかが脚色?)帰還できなかった一機の最期など、映像にはされませんでしたし、国王との閲兵シーンなどが微妙に異なります。
σ(^^; 的には、亡命時の経緯など語られ、終戦後のポーランド兵の行きどころのなさが切ない別作の方が、問題意識があり映画としてのメッセージ性が強いので好きです。