『小説家を見つけたら』
Finding Forrester
2000年 アメリカ [136分]
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:マイク・リッチ
製作総指揮:ダニー・ウルフ/ジョナサン・キング
製作:ローレンス・マーク/ショーン・コネリー/ロンダ・トーレフソン
撮影:ハリス・サヴィテス
美術:ジェーン・マスキー
編集:バルディス・オスカードゥティル
衣裳:アン・ロス
字幕:戸田奈津子
キャスト:ショーン・コネリー/ロブ・ブラウン/F・マーレイ・エイブラハム/アンナ・パキン/バスタ・ライムズ/マット・デイモン 他
[解説]
秀才高校生と伝説の小説家の交流を描いた感動作。監督は「サイコ」のガス・ヴァン・サント。製作は「地上より何処かで」のローレンス・マークほか。脚本はマイク・リッチ。撮影は「天井桟敷のみだらな人々」のハリス・サヴィデス。衣裳は「リプリー」のアン・ロス。出演は「エントラップメント」のショーン・コネリー(製作も)、映画初出演のロブ・ブラウン、「スター・トレック 叛乱」のF・マーリー・エイブラハム、「X|メン」のアンナ・パキン、「シャフト」のバスタ・ライムスほか。
[STORY]
NYのブロンクス。黒人の高校生ジャマール・ウォレス(ロブ・ブラウン)は、プロのバスケットボール選手を夢見つつも、実は大変な文学少年。そんな彼が、アパートの部屋に引きこもっている謎の老人と知り合う。彼は40年前にピュリツァー賞に輝いた処女作一冊だけを残して文壇から消えた幻の小説家、ウィリアム・フォレスター(ショーン・コネリー)だった。二人の間にはやがて師弟関係のような友情が生まれ、ジャマールは文学の才能を開花し、フォレスターは長年閉ざされていた心を開いていく。そんな時、ジャマールの才能に気づき嫉みはじめていたロバート・クロフォード教授(F・マーリー・エイブラハム)が、ジャマールの提出した作品のタイトルがフォレスターの昔発表したエッセイと同じ副題を持っていることを糾弾するという事件が起こった。ジャマールは退学の危機にさらされるが、作文シンポジウムの時、それまで決して一人では外出しようとしなかったフォレスターが現われ、ジャマールを助ける。そしてフォレスターは、故郷スコットランドへ旅立った。やがて彼は亡くなり、ジャマールは弁護士からフォレスターの遺品を受け取るのだった。(eiga.com)
映画好きだけど、時間が足りない(笑)きっと多く観ている人だって、なん万本のうちの一握りをこなすことがやっとではないでしょうか。だから、時々レンタル屋の棚で「おや?これは」となります。
ブロンクスの下町に住む、しかし向学心のある少年ジャマールと、素晴らしいデヴュー作一冊書いただけで、以後50年隠遁生活をしているムズカシイ作家ウィリアム・フォレスターとの交流が描かれていて、やり取りと関係性がとても面白いです。
マンションから見下ろせる広場のバスケットボールコートで興じる少年たちの中に、作家がジャマールを見つけられたのは、作家フォレスターがスコットランド出身で、慣れ親しんだバードウオッチングよろしく、観察眼に長けていたからだと思います。群れの中で時おり自分のノートに何やら書き込んでいるのを知れば、彼はチャンスさえあれば伸びると直感したのかも知れません。
噂の窓の奥には得体の知れない老人が居るらしいのを少年たちには分かっているので、度胸試しにジャマールが忍び込んだのは、いつも感じる視線の主に興味があったからなのだと思われます。この家宅侵入が始まりで、ジャマールが書きためていたノートに「赤」を入れられ添削されたことで、歳の離れた友情が、最初はもちろん反発しつつ始まります。
ジャマールがブロンクスの高校から、遥かにましな環境に飛び立とうとしているのさえ、作家の双眼鏡の中だけでわかったと言われ、ジャマールは縁を感じます。それは後に、フォレスターの健康に関係していたことを知ることになるのですが、、、。
権威をひけらかすくせに、自分より優れた若者を伸ばしてやるでなく、フォレスターの文章の剽窃嫌疑を持ち出し、潰そうとするクロフォード教授と評議会に対するフォレスターの行動とチャリで駆けつける姿が、さすがはショーン・コネリーのダンディーさ。
旧作の棚、あなどれませんよ。
