『華氏119』
Fahrenheit 11/9
 
2018年 アメリカ [128分]
監督:マイケル・ムーア
製作:マイケル・ムーア/カール・ディール/メーガン・オハラ
製作総指揮:バーゼル・ハムダン/ティア・レッシン
脚本:マイケル・ムーア
撮影:ジェイミー・ロイ/ルーク・ガイスビューラー
編集:ダグ・エイベル/パブロ・プロエンザ
字幕監修:池上彰
キャスト:マイケル・ムーア/ドナルド・トランプ/バーニー・サンダース 他
 
[解説]
アメリカの銃社会に風穴を開けた「ボウリング・フォー・コロンバイン」や医療問題を取り上げた「シッコ」など、巨大な権力に対してもアポなし突撃取材を敢行するスタイルで知られるドキュメンタリー監督のマイケル・ムーアが、アメリカ合衆国第45代大統領ドナルド・トランプを題材に手がけたドキュメンタリー。タイトルの「華氏119(原題:Fahrenheit 11/9)」は、トランプの大統領当選が確定し、勝利宣言をした2016年11月9日に由来。ムーア監督の代表作であり、当時のジョージ・W・ブッシュ政権を痛烈に批判した「華氏911(Fahrenheit 9/11)」に呼応するものになっている。16年の大統領選の最中からトランプ当選の警告を発していたムーア監督は、トランプ大統領を取材するうちに、どんなスキャンダルが起こってもトランプが大統領の座から降りなくてもすむように仕組まれているということを確信し、トランプ大統領を「悪の天才」と称する。今作では、トランプ・ファミリー崩壊につながるというネタも暴露しながら、トランプを当選させたアメリカ社会にメスを入れる。(eiga.com)
 
もし、ヒラリー・クリントンが大統領選挙に勝っていたら、それはそれでまた大変なことになって居たに違いないと思います。衝撃のアメリカの選択から早くも2年、σ(^^;たちも歳取る訳だわ(笑)。
 
A or Bっていう選択肢は、リアルできついですね。同じ目的地に向かうだけのルートの選択でさえ、他方の場合が分かるわけではないですから、曲がったら大渋滞なんてことはついて回ります。アメリカみたいな人種のるつぼで、トランプという選択をしたアメリカの民意がどうだったのかは、結局それが終わってみなければ判断できないから、こういう証言者がいることは後になって貴重です。
 
ジョークで始まったトランプの挑戦が、ジョークで済まされない局面でどうなるか、どちらにしても泣くのは弱者ですから、圧倒的な支持を権力の剣に持ち替えて欲しくはありません。
 
そんなこんなで、考えさせられる映画であることは間違いありませんが、良さげに思えたバラク・オバマでさえ、ミシガン州フリントの水道水は飲む振りだけという、パフォーマンス。そのフリントの水道水鉛汚染は、州知事スナイダーの仕業と知ると暗澹たる気分になります。
銃問題に取り組む若者達のように、声を上げることの大切さと、政治のくだらなさ恐ろしさを感じさせてくれます。
 
是非とも鑑賞するべき一本ですよ。