『オーケストラ・クラス』
La Melodie
 
2017年 フランス [102分]
監督:ラシド・ハミ
製作:ニコラ・モベルネ
脚本:ラシド・ハミ/ギィ・ローラン
撮影:ジェローム・アルメーラ
編集:ジョエル・アッシュ
音楽:ブリュノ・クーレ
キャスト:カド・メラッド/アルフレッド・ルネリー/ザカリア・タイエビ・ラザン/シレル・ナタフ/ユースフ・ゲイエ/サミール・ゲスミ 他
 
[解説]
音楽に触れる機会の少ない子どもたちに無料で楽器を贈呈し、プロの演奏家たちが音楽を教えるフランスの実在の教育プログラムから着想を得た物語で、挫折したバイオリニストと初めて音楽に触れる子どもたちの交流を通して、音楽や人生の喜び、素晴らしさを描いたヒューマンドラマ。バイオリニストとして行き詰まり、パリ19区にある小学校に音楽教育プログラムの講師としてやってきたシモン。気難しく子どもが苦手なシモンは、子どもたちを相手に四苦八苦するが、やがてアーノルドというひとりの少年にバイオリンの才能を見いだす。アーノルドの影響もあって次第にクラス全体が音楽に夢中になり、成長していく子どもたちと向き合うことで、シモンもまた音楽の喜びを取り戻していく。(eiga.com)
 
パリ発コンサート行き鈍行列車の発車です。小6のやんちゃな生徒で喧しい、選択制の"オーケストラ・クラス"の講師に呼ばれたスキンヘッドのダウド・シモンはちゃんとした音楽家ですから、ふざけすぎるガキどもに辟易しますが、担任のブラヒミ先生は、落ちこぽれや不良ぽく振る舞うガキどもに夢を与えたいと、自分の音楽的センスのなさも物ともせず、生徒と同じ立場で参加します。
 
オーケストラクラスに興味を持ったが申し込んでもいない、堅太肥りのアフリカ系少年アーノルドは、練習風景を窓越しに見てバイオリンってどんなかなーって放課後の教室で手に取っていると、クラス一番の上から目線ク○生意気サミールと掴み合いになり、制止に入った先生達の前でクラスへの合流を認められ、ダウド先生には希望の星になりますが、サミールの不興を買ってしまい前途多難なクラスです。
 
アーノルドの方はと言うと、ネットの動画で独学したり、ちゃんとやってるクラスの女の子ヤエルに弾き方の指導を乞うたりし、着実に上達して行きます。こう言うシャイでも自分からやってみたいと言う子は指導のし甲斐がありますからダウド先生は気に入りますが、それを良く思わないサミールや茶々ばかり入れるおふざけ少年たちはたびたび邪魔をし、ダウド先生はキレそうになり、ついサミールを押してしまいます。「息子を殴ったのはお前か」とサミールの父親が怒鳴り込んで来たりもしてバイオリンを突き返し険悪な空気になり、ブラヒミ先生はダウドのやり方は間違っていると言います。「やる気のある生徒だけ可愛がると、クラスは三人になる、ああいう問題児たちに希望を待たせるためにやってるんだ」
 
プロの音楽家であり厳格でも、実際には演奏旅行や上手くやれて当たり前ということに疑問を感じ始めた、ダウド先生の成長譚でもあるんですね。サミールの家に侘びにいき、クラスに戻るよう両親に説得するため、バイオリンの演奏の素晴らしさを聞かせる先生、うっとり聴き入る不愛想で粗野な父親たち、、いいシーンです。
 
サミールがクラスに戻って生徒全員の合同リハが開かれますが全員が萎縮して散々な結果に終わり、そこからやっと皆の危機感が生まれ始め自主トレをするのですが、そんな矢先以前からなにかと不具合のあった配線からの漏電で教室が火災に見舞われ、クラスは窮地に。
 
窮すれば通ずと言いますが、そこから生徒たちの親御さんの大活躍と大団円に向けて、ドラマは大きく動きます。スローガンだったスタンディング・オペーションについては、ちっとだけ地味かも知れなかったですが(笑)。