『インビジブル 暗殺の旋律を弾く女
In Darkness

 

2018年 イギリ/アメリカ [101分]
監督:アンソニー・バーン
製作:ベン・ピュー/アダム・モラン=グリフィス/ジョシュ・バーニー/アンソニー・バーン/ナタリー・ドーマー
製作総指揮:ロリー・エイトキン/ジョシュア・ホースフィールド
脚本:アンソニー・バーン/ナタリー・ドーマー
撮影:シー・ベル
美術:ソーニャ・クラウス
衣装:ナット・ターナー
編集:トム・ハリソン=リード/ポール・ナイト
音楽:ナイアル・バーン
キャスト:ナタリー・ドーマー/エド・スクレイン/エミリー・ラタコウスキー/ジョエリー・リチャードソン/ジェームズ・コスモ/ヤン・ベイブート 他
 
[解説]
巨大組織に狙われる盲目のピアニストの女性をめぐって繰り広げられる事件と謎を、大ヒットテレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のナタリー・ドーマー主演で描いたサスペンススリラー。ヨーロッパの黒社会を仕切る大物ラディチの娘であるベロニクが、自宅のアパートから落下して死亡する。警察は自殺と見ているが、その現場に居合わせたヒットマンのマークは、真相を知っていた。階下にいたピアニストの女性ソフィアに事故を目撃されたと思い込んだマークは、彼女を抹殺しようと監視を始めるが、ソフィアは目が不自由だった。その上、彼女は何故かロシアマフィアや英国情報局からも狙われていることがわかり……。主人公ソフィア役のドーマーが主演のほか、脚本と製作を担当。ドーマーのパートナーでもあるアンソニー・バーンが監督を務め、ドーマーとともに脚本と製作も手がけている。ソフィアを守ることになるヒットマンのマーク役は「トランスポーター イグニション」「デッドプール」のエド・スクレイン。(eiga.com)
 
主演女優ナタリー・ドーマーの旦那メガホンによる、ムーディーでスタイリッシュな、自己自然解凍型(フレンチノワール風)ミステリーです。観客は考えなくてもついてゆくだけで、すべてが解る(か?)
 
ヒロインのソフィアは全盲の天才的ピアニストですが、これやっちゃうと絵的にどうにもなりませんから、収録リハーサルの手元の鍵盤を照らす灯りや、自宅アパート(しかも三階!)の室内が煌々なのに気づいちゃうと違和感ありまくりになってしまいます。従ってジャケットヴィジュアルのような座頭市型ガンアクションなんて全くありません。但し監督の絵的な拘りはかなりな感じで、予告編の見せ場的アクションカットが別物に差し替えてあったのに気づきました。観客にゃわかんないんだけどね(笑)。
 
謎めいてはいるんですが、監督の手腕又はサービス精神で?キーマンのセレブロ=A・Gというネタばれがなされ、時代に合わせたUSB端末のパスワードまで、相手方に知られてしまいます。まちっと黙っていて欲しかった。
 
そんなこんなで、ムーディでスタイリッシュではあるけれど、自己解凍式謎解けムービーなので、モヤモヤが取り残されてしまいます。スタイリッシュなだけに、そこら辺含みが残っていたなら、もう一段階評価が上がるような気がします。杖の扱いとかそれっぽいのに、ちと残念感が残ります。