- 『グッバイ・クリストファー・ロビン』
- Goodbye Christopher Robin
- 2017年 イギリス [107分]
- 監督:サイモン・カーティス
- 製作:ダミアン・ジョーンズ/スティーブ・クリスチャン
- 製作総指揮:サイモン・カーティス/サイモン・ボーン
- 脚本:フランク・コットレル・ボイス/サイモン・ボーン
- 撮影/ベン・スミサード
- 美術:デヴィッド・ロジャー
- 編集:ビクトリア・ボイデル
- 音楽:カーター・バーウェル
- 音楽監修:サラ・ブリッジ
- キャスト:ドーナル・グリーソン/マーゴット・ロビー/ケリー・マクドナルド/ウィル・ティルストン/アレックス・ロウザー 他
[解説]
A・A・ミルンによる名作童話「くまのプーさん」の誕生秘話を、「マリリン 7日間の恋」「黄金のアデーレ 名画の帰還」のサイモン・カーティス監督、「アバウト・タイム 愛おしい時間について」や「スター・ウォーズ」シリーズのドーナル・グリーソン主演で描いた伝記ドラマ。共演に「スーサイド・スクワッド」「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のマーゴット・ロビー。作家のアラン・ミルンは、第1次世界大戦からの帰還後にPTSDに悩まされるように。そんな彼と妻ダフネの間に息子が誕生し、クリストファー・ロビンと名付けられる。アランは静養のためロンドンから田舎町へ移住するが、ダフネは何も書こうとしない彼に愛想を尽かして家を出て行き、アランとクリストファー・ロビンは2人きりで暮らすことに。クリストファー・ロビンとの散歩中にぬいぐるみを使って創り出したキャラクターたちを基に構想を練り上げたアランは、新作「くまのプーさん」を発表。作品は予想を遥かに超える人気を呼び、ミルン家は一気に世間の注目を集めることになるが……。アランをグリーソン、ダフネをロビーがそれぞれ演じた。(eiga.com)
A・A・ミルン氏(ドーナル・グリーソン)は作家を営めるのだから、そこそこ裕福な家の方なんでしょうね。貧困層なら食うに忙しくてやれないでしょう。従って名声好きの上流階級出身の嫁さんダフネ(マーゴット・ロビー)は「来てあげて結婚してあげて子供まで産んであげた」という上流の人の価値観がよく出ている人です。子守にナニー(家政婦)のヌー(ケリー・マクドナルド)を雇い、身の回りの世話から何から任せます。
要するに良家の令嬢ですから高飛車で、良い悪いではなくそうしたものなんだろうなと平民のおいらはそう感じます。
この鬼嫁役のマーゴット・ロビーは説得力あります。高飛車でリアルな我儘だと思います。だから、夫の成功を当然と置きそれを自らの誇りとするのです。迷惑千万なのですが生活に追われない人々の中には居ますよね。
対してA・A・ミルン氏の方はというと、繊細で(すぎる?)ナイーブ(すぎる?)ですから、戦争から帰るとたちまち PTSDに悩まされ、風船の破裂音でさえビクンと竦んでしまいます。神経質だから作家に向いているのかも知れませんが、息子が書斎に入ったり仕事中には声を掛けられるのを嫌い、遠ざけますから、充分に向き合った子育てなんて出来っこありません。
両親とも子育てには不向きで関心が薄い夫婦です。それでナニーとしてヌーを雇うわけです。鬼嫁のダフネもミルン氏も勘どころが育児に向かない、いわゆる不器用なだけで、二人とも簡単な子供に寄り添うだけのことに気が回らないから、彼ビリー・ムーン(家族間の呼称/本名がクリストファー・ロビン)の誕生日サプライズに鼓笛隊を派遣したり、帰郷の土産の縫いぐるみでごっこ遊びに束の間付き合うのをビリー・ムーンへの愛情だと思って居たんですね。
ミルン氏は戦争をもうしなくていい世の中にする為に文才を使いたいと思っていましたが、真っ向なメッセージは難航をきわめ、気分転換の意味もあってかビリー・ムーンと近所の森の中で語り合った話をヒントに詩を書きます。それが森の仲間とプーのウイニィの物語として人目に触れ、先の戦後こころが傷付いた民衆に支持される大ヒットを極めます。それは母親との縫いぐるみのごっこ遊びから着想を得てビリー・ムーンが語った事柄がヒントになった平和な森の日々の話でしたが、注目され版を重ねるごとに、モデルになった実名クリストファー・ロビンであるビリー・ムーン少年の露出に繋がってしまいます。民衆の想像が独り歩きしてラジオなどで自分じゃないクリストファー・ロビンを演じる苦痛は、パパの手助けになった時代を遥か置き去りにし、成長以後ビリー・ムーン青年なりの行動として志願兵として普通の青年たちと同じように国に貢献したいという旅立ちになります。
そしてまさかの「行方不明推定死亡」の電報が届き両親とナニーのヌーは落胆するのです。ところが、、、、。
という映画です。ナニーのヌーが一番好かれる良い役ですが鬼嫁役のマーゴット・ロビーも愛児のため感動の涙を溜める愛ある母親になります。喪失感が成長をもたらしたという事ですね。さすがはFOX SEARCHLIGH TPICTURE お買い上げ作品というところです。
