『ゲット・アウト』
Get Out
 
2017年 アメリカ [104分]
監督:ジョーダン・ピール
製作:ジェイソン・ブラム/ショーン・マッキトリック/エドワード・H・ハム・Jr./ジョーダン・ピール
製作総指揮:レイモンド・マンスフィールド/クーパー・サミュエルソン/ショーン・レディック/ジャネット・ボルトゥルノ
脚本:ジョーダン・ピール
撮影:トビー・オリバー
美術:ラスティ・スミス
編集:グレゴリー・プロトキン
出演:ダニエル・カルーヤ/アリソン・ウィリアムズ/ブラッドリー・ウィットフォード/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/キャサリン・キーナー/スティーブン・ルート/ベッティ・ガブリエル/マーカス・ヘンダーソン/キース・スタンフィールド 他
 
[解説]
「パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」「ヴィジット」など人気ホラー作品を手がけるジェイソン・ブラムが製作し、アメリカのお笑いコンビ「キー&ピール」のジョーダン・ピールが初メガホンをとったホラー。低予算ながら全米で大ヒットを記録し、第90回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞の4部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待される。過剰なまでの歓迎を受けたクリスは、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えていた。その翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席したクリスは、参加者がなぜか白人ばかりで気が滅入っていた。そんな中、黒人の若者を発見したクリスは思わず彼にカメラを向ける。しかし、フラッシュがたかれたのと同時に若者は鼻から血を流し、態度を急変させて「出て行け!」とクリスに襲いかかってくる。(eiga.com)
 
ふむ、なかなか面白かったです。白人社会と白人たちの本音として黒人種の肉体能力への、言葉を変えれば一種の憧れが怖いというよりキモい精神倒錯的な秘密結社になる感じですか。恋人ローズの実家は郊外の白人の街で、冒頭、一人の黒人男性がそこで襲われ連れ去られるところから始まりますが、奥深い裏があったというお話。恋人ローズの家族たちの正体が実にキモい。リベラルな家族のふりをする一家。ティースプーン催眠術を操る母親、凶暴で威圧的な弟、謎の微笑みを湛える黒人ハウスメイド、アスリート級の俊足の庭師。
 
そして祖父を讃えるパーティに集う、魂胆のありそうな招待客たち。
最初はまさにポスターにある「何かがおかしい」のですが、後半になってハウスメイドの、倒錯したような自問自答の不気味さがきっかけで、彼らのしている事が解ってくると、釘付けになりました。極端な”家族構成”に呆れます。
さまざまな伏線が楽しめましたし、恋人ローズの正体の酷薄なこととか、電話でしか絡まなかった空港警察の友人のラストシーンの登場は、ホッとするところです。
 
オバマ時代の産物と言っていいかな?トランプ大統領時代の今では、こうはまとまらんでしょう。