『ある決闘 セントヘレナの掟
The Duel
 
2016年 アメリカ [110分]
監督:キーラン・ダーシー=スミス
製作:デビッド・ホーバーマン/トッド・リーバーマン/アダム・ローゼンフェルト/モーリーン・ミューレン
製作総指揮:ナタリー・マルチャーノ/マット・クック/アーロン・ギルバート/クレイトン・スミス
脚本:マット・クック
撮影:ジュールズ・オロフリン
美術:トビー・コーベット
衣装:テリー・アンダーソン
編集:トレイシー・アダムズ/ブレイク・ハージェス
音楽:クレイグ・イーストマン
出演:ウッデイ・ハレルソン/リアム・ヘムズワース/アリシー・ブラガ/エモリー・コーエン/フェリシティ・プライス/ホセ・ズニーガ/ウィリアム・サドラー 他
 
[解説]
「ハンガー・ゲーム」シリーズのリアム・ヘムズワースと「グランド・イリュージョン」のウッディ・ハレルソンが共演し、大量殺人事件を追うテキサス・レンジャーと、謎めいた宣教師が繰り広げる因縁の対決を描いた西部劇。1886年、メキシコとの国境を流れるリオ・グランデ川に、数十もの死体が流れ着いた。テキサス・レンジャーのデビッドは事件の真相を突き止めるため、川の上流にある町マウント・ハーモンに潜入する。その町では、謎の宣教師エイブラハムが狂信的な住民たちを支配下に置いていた。実はデビッドとエイブラハムとの間には、ある過去の因縁があり……。「パトリオット・デイ」のマット・クックが脚本を手掛け、俳優としても活動するキーラン・ダーシー=スミスがメガホンをとった。(eiga.com)
 
何だかんだ言って、西部劇って結構作られているように思います。減ったと感じるのは興行的な動員が派手ではないことが考えられますが、お祭りみたいなドンパチ物から、地味で真摯な社会派型、SF風味とかもありましたっけ。本作は“ウエスタン・ノワール” 第二弾となっていますが、知らないや。
 
本作も地味ながらしっかり作られていますが、セントヘレナ式の決闘シーンが売りの割には、少しあっさり片付く印象です。決闘ですので、まず複数の証人を立てて口上を述べ、互いの左腕を縛り、間合いが離れないようにした上で両者とも右手のナイフだけを武器に格闘し、どちらかが息絶えるまでやるという正に命懸けの決闘です。
 
そうなんですが、組みっぱなしでギャラリーの囲みがあるので、映像で表現するのはたしかに困難です。カット割すれば良いのにな〜。悪いけれど見えづらいので、あまり命懸けの格闘には見えませんでした。この辺不満です。
 
宣教師エイブラハムの強権的+狂犬的な立ち居振る舞いは確かに凄いし、デビッドが職業とするテキサス・レンジャーという制度も知りませんでしたが、知事の命による捜査は言ってみればFBIみたいなものかも知れません。そのように置き換えて鑑賞してみました。
 
テキサス・レンジャーとして知事が命じたのは国境の河に流れ着くメキシコ人の遺体から、大量虐殺の疑いのある当地の潜入捜査で、仕事となれば何ヵ月も留守にし妻マリソルの不興を買っていた彼は、擬装のため妻と同行してこの土地を治める宣教師(物語では説教師)エイブラハムに近付く餌になります。後々本当に餌に(汗)
存在感がパワーらしいエイブラハムは、危険でありつつ魅力もあるので妻マリソルも、自分の不満を抱えたままのデビッドとの結婚生活に背を向けそうになってしまいます。意思に関わらず嫁に出されてますからね。
 
町を牛耳っているエイブラハムは、デビッドを空席だった保安官に任命し、デビッドはエイブラハムの身辺を探る事に。町の人々を従わせるエイブラハムの“手”は神を語りつつ恐らく薬物の力を利用して手なづけているような事なんでしょう。
洗脳的な事が上手いんですね。そしてメキシコ人狩りの裏ビジネスを主導している本物の悪人だったということですねー。
 
見応えありました。やはりエイブラハム役のウッデイ・ハレルソンの芝居が全てを牛耳っていました。