『ザ・サークル』
The Circle
 
2017年 アメリカ [110分]
監督:ジェームズ・ポンソルト
製作:ゲイリー・ゴーツマン/アンソニー・ブレグマン/ジェームズ・ポンソルト
製作総指揮:ステファニー・アズピアズー/ロン・シュミット/サリー・ウィルコックス/スティーブ・シェアシアン/エバン・ヘイズ/ピーター・クロン/マーク・シュミューガー/フェデリカ・セント=ローズ/ラッセル・レビン
原作:デイブ・エガーズ
脚本:ジェームズ・ポンソルト/デイブ・エガーズ
撮影:マシュー・リバティーク
美術:ジェラルド・サリバン
衣装:エマ・ポッター
編集:リサ・ラセック
音楽:ダニー・エルフマン
音楽監修:ティファニー・アンダーズ
出演:エマ・ワトソン/トム・ハンクス/ジョン・ボイエガ/カレン・ギラン/エラー・コルトレーン/パットン・オズワルト/グレン・ヘドリー/ビル・パクストン/ベック 他
 
 
[解説]
エマ・ワトソン主演、トム・ハンクス共演によるSNSを題材にしたサスペンススリラー。ユーザーのあらゆるデータを蓄積し、世界ナンバーワンのシェアを誇る超巨大SNS企業「サークル」。憧れの「サークル」に採用された新入社員のメイは、あることがきっかけでカリスマ経営者のベイリーの目に留まり、新サービス「シーチェンジ」のモデルケースに大抜擢される。「サークル」が開発した超小型カメラによって、自身の24時間を公開することとなったメイは、あっという間に1000万人を超えるフォロワーを集め、アイドル的な人気を博していくが……。ワトソンが主人公メイ、ハンクスがカリスマ経営者ベイリーを演じるほか、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」のジョン・ボイエガ、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のカレン・ギラン、「6才のボクが、大人になるまで。」のエラー・コルトレーンらが脇を固める。(eiga.com)
 
SNS始めとする情報産業の寵児のような仕組みは、ある意味諸刃の剣ですから、あくまでも多少の不完全さがあっても、それが主従関係を間違えると、胡散臭い事になりますね、という警鐘も読み取ることができる映画です。
 
先日のネズミ講物の映画と同じようなホームのステージで(某アップル社のCEOみたいな)ベイリー(トム・ハンクス)の芝居はさすが、カリスマCEOを体現しています。あーいうステージ (身内の信者が大多数)という、新人アウェイ感は、気味悪いくらいです。ですからこちらもどこか醒めた気分で「たいした人気だけど、本気かな?」の感想。集団催眠や全体主義の居心地の悪さに似ています。
 
ヒロインのメイは、難病の父親のためにも小マシな職場で、できれば遣り甲斐のある仕事に就きたいと望んでいましたから、世界的な巨大SNS企業のサークル社の面接のチャンスが来ると、先を託せる灯りが見えたのごとくに、この新しい職場の社風に溶け込もうとするわけで、そんな姿を見ていた CEOベイリーと、また違った視線で見ていたプログラマーのタイ・ラフィート (ジョン・ボイエガ)…このふたりの対照的な立ち位置は経営者目線とユーザー目線の代表ですね。
 
タイの心配をよそにベイリーら経営陣の「透明化」のサンプルに自らを捧げるメイの姿はどこか殉教者めいて見えます。さらに高揚した彼女は、それがどんなに危険な事かと気づかないままベイリーたちの野望に組み込みたい、例えば選挙の投票行動に「義務化」さえマインドコントロールされたかのごとくアジってしまう。
 
冗談じゃない!納税の義務はあっても、選挙の投票は権利です。彼女舞い上がるあまりそこらへんがごっちゃになるんですね。選ばない自由もあるのに、経営陣の洗脳にやられて、気付いた時には親友の絆と、ボーイフレンドの命を危機に追いやってしまうんですね。
 
頑張っちゃいけないんだよ、あーいう相手たちにはバカなやつの面だけ見せてな、っていうよーな、ビターな結末の映画です。エマ・ワトソン大人の女にあと一歩(ムネもうちょっと←こらこら)