『あさがくるまえに』
Reparer les vivants
 
2016年 フランス/ベルギー [104分]
監督:カテル・キレベレ
製作:ダビド・ティオン/ジュスタン・トーラン/フィリップ・マルタン
原作:メイリス・ド・ケランガル
脚本:カテル・キレベレ/ジル・トーラン
撮影:トム・アラリ
編集:トマ・マルシャン
音楽:アレクサンドル・デプラ
挿入歌:デビッド・ボウイ/ケン・ブース
出演:タハール・ラヒム/エマニュエル・セニエ/アンヌ・ドルバル/ドミニク・ブラン/ギャバン・バルデ 他
 
[解説]
心臓移植をめぐって繰り広げられる喪失と再生の物語を、「預言者」のタハール・ラヒム、「毛皮のヴィーナス」のエマニュエル・セニエ、「Mommy マミー」のアンヌ・ドルバル共演で描いたフランス製ヒューマンドラマ。「聖少女アンナ」「スザンヌ」で注目された新鋭女性監督カテル・キレベレが、メイリス・ド・ケランガルのベストセラー小説をもとに映画化し、命のやりとりに直面した人々の葛藤を静謐なタッチで描き出す。夜明け前、青年シモンは恋人が眠るベッドをそっと抜け出し、友人たちと一緒にサーフィンに出かける。しかしその帰り道に自動車事故に巻き込まれ、病院で脳死と判定されてしまう。報せを受けて病院に駆けつけたシモンの両親は現実を受け入れられないまま、医者から臓器移植コーディネーターのトマを紹介される。一方、パリで暮らす音楽家の女性クレアは重い心臓疾患で臓器提供を待っていたが、若くない自分が他人の命と引き換えに延命することに疑問を感じていた。(©eiga.com)
 
「脳死は人の死」こういうフレーズを耳にするようになったのは、この20年前後の事でしょうか。ドナー/レシピエントのドラマも割合視聴するような時代になりました。
しかし稀に報じられるくらいなので、この映画のように当事者の心の内、特に家族の気持ちに寄り添った描き方はとても興味深いものです。
 
誰だって自分として生きて人生を全うすると思い込んでいる面がありますが、若くして不慮の事故によって閉ざされることがままあって、生きる筈だった命と死ぬ筈の命が運命の糸に手繰り寄せられ、涙が暖かいものに変わって行く。
 
そういった真摯な映画です。ドナーとレシピエントを結ぶ数々の医療の現場の人々の群像劇でもあり、家族の絆のお話でもあります。
 
家族の想い、医療スタッフの想い。重くて熱いものがあります。