『女神の見えざる手』
Miss Sloane
 
2016年 フランス/アメリカ [132分]
監督:ジョン・マッデン
製作:ベン・ブラウニング/クリス・サイキエル/アリエル・ゼトゥン
製作総指揮:クロード・レジェ/ジョナサン・バンガー/パトリック・チュウ/アーロン・ライダー
脚本:ジョナサン・ペレラ
撮影:セバスチャン・ブレンコー
美術:マシュー・デイビス
衣装:ジョージナ・ヤーリ
編集:アレクサンダー・バーナー
音楽:マックス・リヒター
出演:ジェシカ・チャステイン/マーク・ストロング/ググ・バサ=ロー/アリソン・ピル/マイケル・スタールバーグ/サム・ウォーターストン/ジョン・リスゴー/ジェイク・レイシー/デビッド・ウィルソン・バーンズ/ラウール・バネジャ/チャック・シャマタ/クリスティーン・バランスキー 他
 
[解説]
「恋におちたシェイクスピア」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」のジョン・マッデン監督が「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャスティンを主演に迎え、天才的な戦略を駆使して政治を影で動かすロビイストの知られざる実態に迫った社会派サスペンス。大手ロビー会社の花形ロビイストとして活躍してきたエリザベス・スローンは、銃の所持を支持する仕事を断り、銃規制派の小さな会社に移籍する。卓越したアイデアと大胆な決断力で難局を乗り越え、勝利を目前にした矢先、彼女の赤裸々なプライベートが露呈してしまう。さらに、予想外の事件によって事態はますます悪化していく。共演に「キングスマン」のマーク・ストロング、「インターステラー」のジョン・リスゴー。(©eiga.com)
 
ロビイストと聞けば、良い印象を持つ人はいないだろう。最初から汚い世界を想像するから、初めて知る事ができた様なもので、こういうはっきりした形でビジネスとしているってどういう事なのかとか思っていました。以前サンドラ・ブロックがフリーの敏腕選挙参謀を演った『選挙の勝ち方教えます』と構造的に似た映画だなと思いました。ビジネスとしてこれらの職種が成立する政治がらみの世界というのは、やはり凄いですよね。
 
敏腕女史は嫌われ者という前提ですから、深いところまでの感情移入は難しいことと、彼女が遣り手設定なのは良いとして、彼女のどんなところが凄くて、そう成長したのはどう言うエピソードがあったのかなどは語られず、キャラクターの深みが足りない感じです。予め人並みはずれて有能でと言う実感はありませんから、観る方は鵜呑みにして脳内補完せざるを得ません。
それに成功させる作戦が悉く裏があり、よほど勘の鈍いやつでも“これはひっくり返る”と予感させてしまうから、トリッキーで面白いのに乗れないという、要するに観客の心をくすぐる要素が少し足りないのかなと思いました。
 
例えば公聴会の証言のシーンは前半/後半、二度ありますが、平たい理解だと同じセットで同日収録の印象になってしまい、それが映画全体を小さく纏めてしまったというこちらのマイナス印象になっています。光線とかガラッと変えていたら、ケチくさくも感じなかったのではないでしょうか。内容は面白いのに、いまいちガン!と来るようなインパクト不足です。
 
敵方の奥の手で引っ張り出した男娼の証言が、偽証罪に問われる公聴会にも関わらず何なきを得たと言うのも、二人の間に忖度する特別な感情があるわけでなく、ただのビジネスめいた間柄から擁護の決定的な根拠がなく、杜撰な設定にガッカリしました。