『ラスト・プリンセス
 大韓帝国最後の皇女』
The Last Princess
 
2016年 韓国 [127分]
監督:ホ・ジノ
製作:チェ・グノ/ソ・ユミン/イ・ハノル/キム・ヒョンジュン/キム・ソンヨン/シン・ヘヨン
製作総指揮:チャ・ウォンチョン/パク・ヒョンテ
原作:クォン・ビヨン
脚本:ホ・ジノ/チェ・グノ/ソ・ユミン/イ・ハノル/キム・ヒョンジュン
撮影:イ・テユン
美術:チョ・ファソン
衣装:クォン・ユジン
音楽:チェ・ヨンナク
出演:ソン・イェジン/パク・ヘイル/ユン・ジェムン/ペク・ユンシク/パク・チュミ/ラ・ミラン/パク・スヨン/戸田菜穂/コ・ス/チョン・サンフン/アン・ネサン/キム・ジェウク/チョン・サンフン/キム・デミョン/秋葉里枝 他
 
[解説]
「私の頭の中の消しゴム」「四月の雪」のソン・イェジンが、実在した大韓帝国最後の皇女・徳恵(トッケ)翁主を演じたスペクタクルドラマ。「四月の雪」「八月のクリスマス」のホ・ジノ監督が、徳恵翁主の激動の生涯をフィクションを交えて描いた。日本統治時代、大韓帝国の初代皇帝・高宗の娘である徳恵翁主は、政略に巻き込まれ、わずか13歳で日本へ留学させられてしまう。祖国へ帰ることを心待ちにしながら大人になってしまった彼女の前に幼なじみであるジャンハンが現れる。ジャンハンは大日本帝国に従事する一方で、徳恵と彼女の兄である皇太子の上海への亡命計画を秘密裏に練っていたが……。イェジンのほか、ジャンハン役を「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」のパク・ヘイルが演じ、日本からは戸田菜穂が出演。(©eiga.com)
 
実在の朝鮮王朝の末裔、李徳恵(イ・トッケ)の周辺事情をモチーフに語られる、歴史フィクション映画です。戦中戦後の政治の力学に翻弄された朝鮮王朝の悲哀を、本国を離れて日本に"留学"させられてしまう皇女:李徳恵(ソン・イェジン)の眼を通して語られる物語は、ホ・ジノ監督の言葉を借りれば、帰国シーンを見、ドキュメンタリー番組と大胆な脚色の小説を元にしていて、1972年頃、計画止まりになった英親王を亡命させる計画がもし実行されていたら、映画として説得力のある脚色を目指した、としています(DVD解説レクチャー)。
 
だからその事を頭に置いて観ました。さすがに爆弾テロ直後から逃亡のくだりは、その大胆な脚色のうちに入ると思われます。ジャンハンは信念はあれど、これでは二重スパイ的なポジションになってしまいますから。
 
大日本帝国の朝鮮総督府のハン長官というのが極悪役で、皇帝の毒殺から政略留学のお膳立てをします。この人最後まで憎々しいやな役でした。付き人として日本に同行するポクスン(ラ・ミラン)室井滋さんに見えて仕方なかったです。
 
民族の儀礼というか、女官たちが別れのシーンで悲しみを表しひれ伏し嗚咽するのは、一種異様な様式美を感じました。体のありったけで表現するのは朝鮮族のスタイルかも知れません。
北鮮のブリキの兵隊行進のやたらに強そうな勢いとか、マスゲームの華麗さとかはイメージとして少しダブります。
 
日本語が喋れる役者さんも多い韓国の俳優陣ですから、主な舞台になる日本のシーンは違和感なく見る事が出来ました。監督のイメージに最初からあった、帰国する空港でのシーンは感動的でした。