『ハクソー・リッジ』
Hacksaw Ridge
 
2016年 アメリカ/オーストラリア [139分]
監督:メル・ギブソン
製作:デビッド・パーマット/ビル・メカニック/ブライアン・オリバー/ウィリアム・D・ジョンソン/ブルース・デイビ/ポール・カリー/テリー・ベネディクト
製作総指揮:デビッド・グレートハウス/スチュアート・フォード/タイラー・トンプソン/エリック・グリーンフェルド/リック・ニシータ/レン・ブラバトニック/クリストファー・ウッドロウ/マイケル・バシック/バディ・パトリック/スザンヌ・ウォーレン/レニー・コーンバーグ/マーク・C・マニュエル/テッド・オニール
脚本:ロバート・シェンカン/アンドリュー・ナイト
撮影:サイモン・ダガン
美術:バリー・ロビンソン
衣装:リジー・ガーディナー
編集:ジョン・ギルバート
音楽:ルパート・グレッグソン=ウィリアムズ
視覚効果監修:クリス・ゴッドフリー
出演:アンドリュー・ガーフィールド/サム・ワーシントン/ルーク・ブレイシー/テリーサ・パーマー/ヒューゴ・ウィービング/レイチェル・グリフィス/ビンス・ボーン 他
 
[解説]
メル・ギブソンが「アポカリプト」以来10年ぶりにメガホンをとり、第2次世界大戦の沖縄戦で75人の命を救った米軍衛生兵デズモンド・ドスの実話を映画化した戦争ドラマ。人を殺してはならないという宗教的信念を持つデズモンドは、軍隊でもその意志を貫こうとして上官や同僚たちから疎まれ、ついには軍法会議にかけられることに。妻や父に助けられ、武器を持たずに戦場へ行くことを許可された彼は、激戦地・沖縄の断崖絶壁(ハクソー・リッジ)での戦闘に衛生兵として参加。敵兵たちの捨て身の攻撃に味方は一時撤退を余儀なくされるが、負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、たったひとりで戦場に留まり、敵味方の分け隔てなく治療を施していく。「沈黙 サイレンス」「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールドが主演を務め、「アバター」のサム・ワーシントン、「X-ミッション」のルーク・ブレイシーらが共演。第89回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞など6部門でノミネートされ、編集賞と録音賞の2部門を受賞した。(©eiga.com)
 
この人の爪の垢煎じて飲ませたいやつらは五万といる。あんまり凄すぎてこれが実話だと信じられない。頑固なまでに信念を貫き通せる原動力(彼の場合"信仰")は、私たちにはあるんだろうかと思う。
 
映画冒頭、じゃれ合いの兄弟げんかのエスカレートから、レンガで兄を危うく殺しかけたことから、"汝殺すなかれ"を肝に命じたデズモンド少年が、銃を持たずに兵役を志願しようと思ったのには、日本軍の真珠湾攻撃にショックを受けたからだと語ります。それで彼は"汝、殺すなかれ"の戒律を守る人生を決意しますが、その道がどんなに困難なのかさえ、折り込み済みで超越した信念があったのだと思います。
信仰がらみだとアンドリュー・ガーフィールドは『沈黙 サイレンス』で"転ぶ"悩めるパーデレを演じています。このことはなんだか不思議な巡り合わせだと思います。
 
演出的なことでちょっぴり不満だったのは、結婚式当日の軍法会議から、婚約者ドロシーや父親が、悩みもせず直接即日行動をしたかに見えることで、ワンクッション行動の切っ掛け(例:一旦落ち込み決意固め、行動に出る)等があったら違和感が薄らいだかな?あとはハクソー・リッジに侵攻するときの崖の凄さと縄梯子の設置に関する説明的なシーンがあれば、モアベターだったかと思います。僅かな事なんだけどね。あいまみえれば、どちらの兵も等しく倒れ吹き飛ばされ、戦場の描写は凄まじいものですが実話であり、敵が日本兵で戦場が沖縄であるのは、やりきれない事ですが眼を背けてはならないのかも知れませんね。
 
メル・ギブソンの監督作品は、前作を観ていないので宿題になりました。