『白鯨との闘い』
IN THE HEART OF THE SEA

2015年 アメリカ [122分]
監督:ロン・ハワード
製作総指揮:ブルース・バーマン/サラ・ブラッドショウ/バラク・パテル/エリカ・バギンズ/デヴィッド・バーグスタイン/ナサニエル・フィルブリック
脚本:チャールズ・リーヴィット
音楽:ロケ・パニョス
出演:クリス・ヘムズワース/ベンジャミン・ウォーカー/キリアン・マーフィ/トム・ホランド/ベン・ウィショー 他



ロン・ハワード監督と主演のクリス・ヘムズワースの二回目のタッグは、前作『ラッシュ/プライドと友情』(2013年)の撮影終盤にヘムズワース側から、この後やりたい作品として提示され、実現化した。
『白鯨』としてメルヴィルが世に示した、片足の船長たちの冒険談を書き上げる上で、エセックス号の遭難事故の最後の生き残りトム・ニカーソンと面談し、訊くことが出来た真実の物語だ。それは過酷な海そのものとの闘いだった……。

1800年代の捕鯨は、主に鯨油を手に入れるためのもので、ハクジラのマッコウクジラは頭にあたる部分に溜めた「脳油」を圧縮・膨張させ深海部から海面まで行動出来たが、人間には灯明などに使える純度の高い油として石油採掘技術が確立するまでの主流だった。従って捕鯨(まだ帆船時代です)に携わったりする者や、捕鯨船の所有や船長の社会的地位は高く、ひとつのムラだったわけだ。
平民出の乗組員は、どんなに優秀でも一等航海士止りというムラ社会のなかで、大規模な海難事故だがエセックス号の事故も単なる座礁とされ、生き残った乗組員の数ヵ月に及ぶ漂流の中での真実は葬り去られようとしていた。

発端は巨大な手負いのマッコウクジラの反撃による捕鯨船の難破であり、生き残った乗組員の漂流中にさえ、マッコウクジラは襲って来て容赦なくボートを壊し、いよいよ窮地に追い込まれた乗組員の生き残るための究極の選択に繋がって行った。嗚呼。

ところで上映期間の終わりの方になると、シネコン側は日一度、最終回のレイトショー扱いになる事もままあるのだが、昨夜も「お一人様」という贅沢な鑑賞のうえ、ミニバイクで駆けつけたため暖房が心地好すぎて序盤のσ(^^;は、さすがに睡魔との闘いを強いられ、あまり導入部を覚えていない。はぁあっ眠かった(笑)。