スプリッターは愛の懸け橋

『はじまりのうた』
BEGIN AGAIN

2013年 アメリカ ［103分］
監督･脚本:ジョン･カーニー
製作総指揮:ナイジェル･シンクレア/ガイ･イースト/マーク･シッパー/トム･ライス/ベン･ナーン/サム･ホフマン/モリー･スミス
音楽:グレッグ･アレクサンダー

出演:キーラ･ナイトレイ/マーク･ラファロ/ヘイリー･スタンフェルド/アダム･レヴィーン

自分自身が設立を主導した音楽プロダクションから、経営陣との離反で追い出されたプロデューサーのダン(アップルをクビになったジョブズのように、アメリカではままある？)は、偶然酒場でソングライターのグレタの歌を耳にし、最高のアレンジをイメージする。
起死回生を目論みデモテープをと準備するうち、一気にNYの街頭録音自主アルバムのゲリラ制作へと盛り上がって行く。
この、ワクワク感が素晴らしく、ポリス出動への素早い撤収はウケる。
小さな二股のイヤホンジャック［スプリッター］は、複数の関係性(会社と彼/彼と別居中の妻/彼女と裏切った恋人etc.)の象徴でもある、と思う。ここら辺が上手いなぁ。
離反ばかりでなく、アルバム制作を通しての妻や娘との邂逅、ラストシーン近くの彼女の決心も象徴している。

エンドロールと共に提示されるエピローグも、楽しかった。