今年の春のこと 弟が死んだ。 外の空気はまだ肌寒く、 でも春の訪れを少しずつ感じさせるような3月の、夜明け前。 母の云うところの「芽吹き時」。 自殺だった。 いつか起こるんじゃないかと心配していた心優しい母、 厳しすぎたと自らを責めていた教育者の父、 仕事、結婚、元気な子供。その強さと優しさで幸せを手に入れていた姉、 そしてワタシ。 どこにでもいるだろう平凡な家族の、 それぞれの日常の中で受け取った、突然の死。 残された家族が弟の死を受け入れ再生していく日々を記していく。